2025年第19回ショパン国際ピアノコンクール情報・課題曲
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2025年第19回ショパン国際ピアノコンクール

2025年に開催される第19回ショパン国際ピアノコンクールの日程と課題曲が発表されました。 日程は前回と同様、課題曲の変更点として注目されるのは、 本選でピアノ協奏曲(第1番または第2番)に加えて、 幻想ポロネーズが全員に課されることです。

コンクール運営上、どのように実施されるのか、 そして審査の結果にどのような影響を及ぼすか、注目されます。

参考:https://storage.nifc.pl/web_files/_plik/file_manager/files/650609_Rules_of_the_Competition_13.03.24_last_word.pdf

出場資格
・プロレベルの演奏ができるピアニスト
・1995年~2009年生まれ
・書類審査に出願し出場が認められること

日程
2025年
4月23日~5月4日:予備予選

10月3日~7日:第1次予選
10月9日~12日:第2次予選
10月14日~16日:第3次予選
10月17日:ショパン没後176年セレモニー
10月18日~20日:本選
10月21日:優勝者ガラコンサート
10月22日:第2位受賞者ガラコンサート
10月23日:第3位受賞者ガラコンサート


予備予選(2025年4月23日~5月4日)

以下のa), b)からそれぞれ1曲ずつ
a)
エチュードハ長調Op.10-1
エチュード嬰ハ短調Op.10-4
エチュード変ト長調Op.10-5
エチュードヘ長調Op.10-8
エチュードハ短調Op.10-12
エチュードイ短調Op.25-11

b)
エチュードイ短調Op.10-2
エチュードハ長調Op.10-7
エチュード変イ長調Op.10-10
エチュード変ホ長調Op.10-11
エチュードイ短調Op.25-4
エチュードホ短調Op.25-5
エチュード嬰ト短調Op.25-6
エチュードロ短調Op.25-10

※a), b)ともに難易度の幅が比較的広いですね。
比較的難易度の低い選曲で「逃げる」作戦も有効と個人的には思います。

以下の作品から1曲
ノクターンロ長調Op.9-3
ノクターン嬰ハ短調Op.27-1
ノクターン変ニ長調Op.27-2
ノクターント長調Op.37-2
ノクターンハ短調Op.48-1
ノクターン嬰へ短調Op.48-2
ノクターン変ホ長調Op.55-2
ノクターンロ長調Op.62-1
ノクターンホ長調Op.62-2
エチュードホ長調Op.10-3
エチュード変ホ短調Op.10-6
エチュード嬰ハ短調Op.25-7

※本格的なノクターンで歌心をみる目的。
やはりこの3曲のエチュードはノクターンに準じる扱いですね。

以下の作品から1曲
スケルツォロ短調Op.20
スケルツォ変ロ短調Op.31
スケルツォ嬰ハ短調Op.39
スケルツォホ長調Op.54

以下のマズルカから1曲
マズルカ変ロ短調Op.24-4
マズルカ変ニ長調Op.30-3
マズルカ嬰ハ短調Op.30-4
マズルカロ短調Op.33-4
マズルカホ短調Op.41-1
マズルカ嬰ハ短調Op.41-4
マズルカト長調Op.50-1
マズルカ嬰ハ短調Op.50-3
マズルカロ長調Op.56-1
マズルカハ短調Op.56-3
マズルカイ短調Op.59-1
マズルカ嬰へ短調Op.59-3

※エチュードa), b)は続けて演奏。それ以外の曲順は任意。


第1次予選:10月3日~7日

以下のエチュードから1曲
エチュードハ長調Op.10-1
エチュードイ短調Op.10-2
エチュード嬰ト短調Op.25-6
エチュードロ短調Op.25-10
エチュードイ短調Op.25-11

※これは超絶難易度の曲を並べてきましたね。
この中ではOp.25-10が最もマシですが、この曲は音が汚く濁りやすい曲で、
僕自身、過去のショパンコンクールではあまり成功例の記憶がないので、
技術が高い人はこの曲を避けて、他の曲で勝負した方が無難だと思います。

以下の作品から1曲
ノクターンロ長調Op.9-3
ノクターン嬰ハ短調Op.27-1
ノクターン変ニ長調Op.27-2
ノクターント長調Op.37-2
ノクターンハ短調Op.48-1
ノクターン嬰へ短調Op.48-2
ノクターン変ホ長調Op.55-2
ノクターンロ長調Op.62-1
ノクターンホ長調Op.62-2
エチュードホ長調Op.10-3
エチュード変ホ短調Op.10-6
エチュード嬰ハ短調Op.25-7

以下のワルツから1曲
ワルツ変ホ長調Op.18
ワルツ変イ長調Op.34-1
ワルツ変イ長調Op.42

※Op.18(華麗なる大円舞曲)を選んで成功するのは、かなりハードルが高いと思います。
Op.34-1かOp.42を選ぶのが無難そうです。

以下の作品から1曲
バラードト短調Op.23
バラードヘ長調Op.38
バラード変イ長調Op.47
バラードへ短調Op.52
舟歌嬰ヘ長調Op.60
幻想曲ヘ短調Op.49

※曲順は任意


第2次予選:10月9日~12日

24のプレリュードOp.28から6曲続けて演奏:以下のいずれかから選択
・プレリュードOp.28-7~12
・プレリュードOp.28-13~18
・プレリュードOp.28-19~24

プレリュード6曲連続演奏が課題として復活しますね。
特に難易度の高い8番、16番、24番(8の倍数なので覚えやすいですね)が、
各グループに分散されています。

以下のポロネーズから1つ
・アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調Op.22
・ポロネーズ嬰へ短調Op.44
・ポロネーズ変イ長調Op.53
・ポロネーズOp.26-1,2の2曲

例年はここに幻想ポロネーズ(ポロネーズ変イ長調Op.61)が選択肢に入っていましたが、
この曲が本選で全員に課されることになったため、選択肢から除外されています。


第3次予選:10月14日~16日

以下のピアノソナタから1曲
・ピアノソナタ変ロ短調Op.35
・ピアノソナタロ短調Op.58
※第1楽章の提示部の繰り返しはなし

以下のマズルカから1組
・マズルカOp.17-1~4
・マズルカOp.24-1~4
・マズルカOp.30-1~4
・マズルカOp.33-1~4
・マズルカOp.41-1~4
・マズルカOp.50-1~3
・マズルカOp.56-1~3
・マズルカOp.59-1~3

※但しOo.33とOp.41のマズルカは以下の曲順に従う
・Op.33 No.1 嬰ト短調, No.2 ハ長調, No.3 ニ長調 No.4 ロ短調
・Op.41 Np.1 ホ短調, No.2 ロ長調, No.3 変イ長調, No.4 嬰ハ短調

その他のショパンの独奏曲から任意の作品を選択。
演奏時間は45分~55分に収まるように選曲する。
制限時間を超えた場合、審査員が演奏を止めることがある。


本選:10月18日~20日

・ポロネーズ変イ長調Op.61「幻想ポロネーズ」
・ピアノ協奏曲ホ短調Op.11またはヘ短調Op.21


管理人コメント

本選で「幻想ポロネーズ」が全員に課されることに。
今回のショパンコンクールでの一番の変更点、そして物議を醸すポイントがこれですね。

本選はピアノ協奏曲だけ、というショパンコンクールの長き伝統を打ち破る大改革。
幻想ポロネーズという独奏曲をどこに組み込むか、つまり演奏曲順が、まず問題ですね。

幻想ポロネーズをピアノ協奏曲演奏終了後に、というのは運営上、考えにくいので、
ピアノ協奏曲前に演奏することになるのでしょうが、
その間、管弦楽団員はステージ上で待機するのか、それとも楽屋裏に控えているのか、
いずれにしても、管弦楽団員の拘束時間が格段に増えてしまいますね。

これを避けるには、まず幻想ポロネーズだけをまとめて演奏する日を設けることになりますが、
そうなると、ピアニストが登場するごとにピアノを入れ替え、設定する時間が必要になり、
かなりの時間がロスしてしまいそうです。

そしてそもそも何故、このような進行・運営上の難題を抱えてまで、
本選にあえて幻想ポロネーズという独奏曲を課題に課すのか、その理由ですね。

こういう形容しがたい、とらえどころのない屈折した音楽、
各楽想は魅力的ながら、それが断片的に現れ、それを1つの曲としてまとめるのが難しい、
こういう曲を魅力的に聴かせ、まとめる手腕と絶妙なバランス感覚、
これはショパン弾きの資質として、確かに重要ではないかと僕自身も感じます。

今回のショパンコンクールではこちらでもその都度、情報を仕入れて、
僕自身の見解を書いていこうと思います。

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