2025年第19回ショパン国際ピアノコンクール予備予選レビュー | |||||||||||||||||||||||||
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2025年第19回ショパン国際ピアノコンクール予備予選レビュー
今年2025年、待ちに待った第19回ショパン国際ピアノコンクールが開催されます。 「ということは、もうあれから5年が経つのか、月日が流れるのは早いな~、なんか変だな」と思った皆さん、 安心して下さい。あれから5年ではなく4年です(笑)。 前回は新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で、開催が1年遅れて2021年でしたので、4年しか経っていません。 ショパンコンクールが毎回待ち遠しい僕にとっては(そしておそらく皆さんにとっても)、1年得した気分ですね。 今回の第19回ショパン国際ピアノコンクール、642人のピアニストが応募し、書類・ビデオ審査の結果、171人が選出され、予備予選出場権を獲得しました。 そのうち日本人は24人となっています。通過された選ばれしピアニストの健闘を祈りたいと思います。
予備予選の最終的な出場者のプログラムと日程も発表されています。 これを見ると、出場者は最終的に166人ですので、5人が辞退したということでしょうか。 このうち10月からの本番に進めるのは80人とされていますが、若干増える可能性もあります。 しかしいずれにしても約半数に絞られますので、この予備予選も厳しく熾烈な競争になります。 それぞれのピアニストがどんな素晴らしい演奏を聴かせてくれるか、楽しみですね。 出場者はアジア勢が大半を占めていて、国別内訳は、二重国籍を除いて中国65人(男性55人、女性10人)、日本(男性8人、女性13人(二重国籍を含めると15人))、 韓国21人(男性13人、女性8人)となっています。 また国籍は欧米系でもアジア系のピアニストが多いです。 男女比で見ると、全エントリー166人中、男性116人、女性50人と男性が圧倒的多数を占めており、お隣の中国、韓国の男女比も同様ですが、 何故か我が国では、逆に女性ピアニストが多数を占めているのが興味深いですね。 この辺りに我が国の特殊性が垣間見えますね。 日本人出場者に関しては、実績の点から特に注目されるのは、亀井 聖矢さん(ロン=ティボー優勝)、中川 優芽花さん(クララ・ハスキル優勝)、中島 結里愛さん(15歳、ショパコンin ASIAプロフェッショナル部門で銀賞)あたりでしょうか。皆さんは、注目しているピアニストはいるでしょうか。 国内外も含めて、再挑戦組も多いですね。4年間でどのように変化したか、楽しみなピアニストも多いです。 国外のピアニストについても前評判に関する情報はほとんど仕入れていませんが、いずれにしても予備予選の演奏を聴いて判断することになりますし、 むしろ先入観を持たないで聴いた方がより客観的に判断できるのではないかと思っています。 2025/04/14 管理人の現在の状況と今回の予備予選レビューの予定 前回2021年第18回ショパンコンクール(2021年10月)の時点では、地域の診療所の勤務医をしていましたが、 現在は地域の中規模病院の勤務医(内科)をやっています。 平日の帰宅時間は平均すると午後6時30分から午後7時頃ですので、 前半セッション(日本時間午後5時~午後9時)の前半はリアルタイムで聴くことができないことになります。 勤務医である以上、緊急・臨時の呼び出しの可能性は常にありますが、 現在の勤務先はほぼ完全当直制のため、呼び出しの頻度は低いです。 しかし当直の頻度は多く、平均週1回です。 今回の予備予選期間中の当直予定は、4月23日(水)(何と初日!残念!)と5月3日(土)です。 残念ながらこの2日もリアルタイムで演奏を聴けないことが確定しています。 このような、どうやってもリアルタイムで聴くことができない出場者の演奏は、 予備予選開催期間中の空き時間または予備予選終了後に聴いて、レビューを記載したいと思います。 幸い、この期間中、2度の週末を挟みますし、我が国はゴールデンウィークで休日も多いので、 比較的キャッチアップしやすいと思われます。 全出場者166人分の演奏の感想・コメント、大変ですが、 楽しみにしている方もいらっしゃるでしょうし、 出場者1人1人が全身全霊を捧げた演奏は、ショパンマニアの僕にとってかけがえのない貴重なものですので、 1音も残さずに聞き通したいと思います。 その上で、例によって今回も、注目したいピアニストを抽出したいと思います。 2025/04/17
YouTube動画配信URL
YouTube動画配信(4月23日前半10時~14時(日本時間:4月23日(日)午後5時~9時)) 繰り返しになってしまいますが、今回は初日の4月23日には当ページを更新することができない状況で、完全に出遅れることが決定してしまいました。またその後もリアルタイムで更新できる日にちや時間帯は非常に限られています。期待して下さっている皆さんには大変申し訳ないと思いますが、後日、配信済の動画を視聴するなどして、なるべくキャッチアップしておきたいと思います。 2025/04/22
審査員
管理人的ランク・各コンテスタントの演奏に対する感想・コメント
各コンテスタントの演奏を、管理人的な好みに合うかどうか、好みに合わなくてもレベルが高いかどうかで、A,B,C,D,E,?でランク付けします。
A:非常に素晴らしい・感動した 但し言うまでもなく音楽の好みは人それぞれですし、この評価はあくまで管理人の個人的な好みによる主観的評価であることを 再度、付け加えておきます。予想というよりも、管理人の好みに合うかどうかが判断基準であるため、 誰が聴いても文句なしという抜群に上手い人を除けば、結果は外れることが多いだろうと予想されます。 ちなみに何度も書いていますが、管理人の音楽的志向は保守的で、美しくオーソドックスで完成度の高い演奏が好みです。 それと音色のウエイトがかなり高いです(好みでない音色のピアニストの演奏を聴き続けるのはかなりストレスフルですよね)。 テクニックに関しては粒が揃った軽妙で筋の良い演奏が好みで、ミスタッチは正確に拾うことができますが、 高い技術を持つ人の偶発的なミスに対しては寛容です。一方、明らかに技術的に弾けていない演奏や、 そのためにミスを乱発する演奏に対してはかなり辛い評価をする傾向があります。
4月23日前半10時~14時(日本時間:4月23日(水)午後5時~9時)
B 1. Kambara Masaharu(神原 雅治、日本) マズルカOp.59-1:正統派でありながらも、ダイナミズムの幅、リズムの面白さやルバートや端切れも追及し創意工夫に満ちた素敵なマズルカ。 エチュードOp.25-4:端切れの良い演奏。最後の方で少し乱れたのが惜しまれますが、減点なしとしたいです。 エチュードOp.10-4:技術的レベルが高くダイナミックで良い演奏。最後の方で少し乱れましたが、緊張のためだと思います。 ノクターンOp.27-2:はっきりとした美しい音色で朗々と歌わせていて好感が持てましたが、 ところどころ惜しい音抜けやドキッとするようなミスタッチがあり、もったいないと思いました。 スケルツォOp.31:旋律の歌わせ方も自然でダイナミックでスケールの大きい演奏。 全体的に「発音の良い」演奏で、芯のあるきれいな音を出す正統派だと思いました。 ダイナミズムは申し分ないのですが、もっと弱音側の幅が増えると演奏に深みが増すと思いました。 もったいないミスタッチがありましたが、トップバッターというハンデを考えると、 このくらいは大目に見てほしいと思います。通過に期待します。
B 2. Kamei Masaya(亀井 聖矢、日本) 椅子に座ると間髪入れずにマズルカOp.59-3開始。 この作品のオーソドックスを意識しながらも、テンポをかなり大きく動かしギリギリの線を追及した かなり自己主張の強い斬新な演奏。好みが分かれるかも。 エチュードOp.25-11:ややミスタッチは散見されましたが、技術的に完璧に弾くという次元を超えて、 テンポを動かして、この作品に宿る詩情を追及しようという意欲が感じられる演奏でした。 エチュードOp.10-2:技術的に完璧、ミスタッチほぼゼロ。主部の再現部では右手の内声部を強調するなど、 斬新な試みもあり、技術的にまだまだ余裕がありそうで、さらに高い次元を目指そうという意欲が感じられました。 ノクターンOp.27-1:弱音も美しく流れも自然ですが、その中で様々な試みがなされていました。 スケルツォOp.54:主部は技術的に高度でミスタッチもほとんどなく、さすがです。 嬰ハ短調で始まる中間部はやや遅めのテンポで、 もっとあっさりした弾き方が好みの人も多そうで、 好みが分かれそうです。 全体的に従来の解釈に囚われない個性や斬新さを追及しようという姿勢が感じられました。 万人受けする演奏ではないかもしませんが、こうした試みは高く評価されるべきです。 このような演奏から次世代の新標準が生まれてくることが往々にしてあるからです。 表現の幅も引き出しも多そうで、もっと聴きたいと思わせる演奏でした。
C 3. Khandohi Uladzislau(ベラルーシ) ノクターンOp.48-1:出だしの旋律部は神々しい雰囲気が出ていて素晴らしい。 中間部後半からクライマックスにかけてはかなりテンポを動かしていて即興的で良い。 エチュードOp.10-1:速いテンポで颯爽とした演奏。若干不明瞭な部分はありますがミスはほとんどなし。 エチュードOp.25-5:技術的には安定。中間部の美しい旋律は大きくルバートをかけて即興的に歌わせていて 良い演奏だと思いました。 マズルカOp.56-1:デュナーミク、アゴーギクの幅を大きく取った演奏。 この作品の自由で夢想的な雰囲気を引き出していました。 スケルツォOp.54:かなりテンポを大きく動かして感興豊かで自由度の高い演奏。 ただあまり好きな演奏ではないですし、聴いていてちょっと疲れるかも・・・
A 4. Khrikuli David(ジョージア) マズルカOp.56-3:テンポと音量がしっかりコントロールされ、密度の高い音楽が紡ぎ出されていく、 得難い素晴らしい演奏。 エチュードOp.25-10:ダイナミックで音が濁らずクリアな演奏。中間部のオクターブの旋律も 適度に即興的でありながら、よくコントロールされていて素晴らしい。 エチュードOp.25-11:ダイナミックでパワフルな木枯らし。技術的にも素晴らしい。 ノクターンOp.48-2:この曲にしては速めのテンポ、フレージングは抑制が効いていて 非常に聴きやすい。すっきりした流れの中に漂う哀愁。これは良いですね。 スケルツォOp.54:技術的にも洗練され、音の粒立ちも良くて歯切れが良い。 音楽的に密度が濃く完成度も高い素晴らしい演奏。 体格がよく手も大きいですが、力任せな演奏ではなく、むしろ逆に細部まで丁寧に演奏し、 ショパンの音楽に誠実に向き合う正統派。 ダイナミックでスケールも大きい。この人は大器かもしれません。次も聴きたい人です。
5. Kim Dongju(韓国)
B~C 6. Kim Hayoung(韓国) ノクターンOp.55-2:緊張のためか、やや固いかな、というのが第一印象。 すっきりした音色で比較的インテンポのノクターン。 エチュードOp.10-10:各声部の音量のバランスが絶妙、テンポルバートも非常に自然で ロマンティックなこの作品の魅力を引き出していて素晴らしいです。 エチュードOp.10-1:ダイナミックで技術的にも正確で素晴らしい演奏。偶発的なミスはノーカウントとしたいです。 マズルカOp.59-1:音楽的には中庸で基本的には良い演奏ですが、拍感や音価がやや不安定な気が・・・ スケルツォOp.39:主部はダイナミックで鋭い。高音から駆け下りてくるキラキラとした音型は きれいに粒が揃う。コーダは迫力十分、圧巻。 テクニックはあるが音楽は・・・というタイプでしょうか。 これだけテクニックがありながら落とされることがあるのか、気になります。
B 7. Kim Jeonghwan(ドイツ) マズルカOp.30-3:自信をもって1つ1つの音を刻印していく。明晰で曖昧さのない立派なマズルカ。 エチュードOp.10-7:右手の動きは完璧。左手のミスはなかったことに・・・ エチュードOp.25-11:技術的に非常に高いレベル。ただこの人、跳躍で音を外しやすいですね。 スケルツォOp.39:ダイナミックで技術的にも正確な良い演奏。コーダも圧巻。 ただ強奏で音色が攻撃的になるきらいがあり、好みが分かれそうです。 ノクターンOp.62-2:表現は細部に至るまでよく考えられていますが、やや人工的な美しさという印象。 この曲は、さりげなく自然で深く温かい演奏の方が好きです。 この人はタイプ的にこのノクターンは合わない気がするのですが・・・ ここは通過でしょうけど、この人はショパンよりも超絶技巧系の方が相性が良さそうです。
4月23日後半17時~21時(日本時間:4月24日(木)午前0時~4時)
B~C 8. Kim Jiin(韓国) ノクターンOp.48-2:伸びのある美音で自然な抑揚を付けた良い演奏。 マズルカOp.59-3:良い演奏だと思いますが、緊張のためか、やや弾き急いでいる印象。 エチュードOp.10-8:軽快で粒が揃っていてよい演奏。 エチュードOp.25-6:惜しいミスがありましたが、技術的にはかなり高いレベルの演奏でした。 スケルツォOp.54:技術的にはもちろんですが、特に中間部の旋律の歌わせ方に惹かれました。 緊張のためかミスタッチは多めでしたが基本的に技術は高度で、何よりノクターンやスケルツォの中間部のような 緩徐部の表現が秀逸と思いました。
B 9. Kim Junhyung(韓国) ノクターン枠でエチュードOp.25-7:細部に細かいニュアンスと変化をつけつつも、 フレージングの「見通し」が良い。 エチュードOp.10-1:余裕がありそうに見えましたが、大きく引っ掛けてしまったところがあり、惜しいです。 エチュードOp.25-10:強奏で音が濁らない。中間部の旋律のフレージングも秀逸。 マズルカOp.33-4:歯切れがよくリズミカルで個性的な演奏。 スケルツォOp.39:ダイナミックで細かいパッセージも粒が揃っていました。
B 10. Kim Sunah(韓国) ノクターンOp.27-1:奇をてらったところのない非常に自然で美しい演奏。中間部のテンポは速めで劇的。 マズルカOp.30-3:テンポ、抑揚ともにこの曲の標準に近い演奏。 エチュードOp.10-4:かなり速いテンポの「攻めた」演奏。最後にわずかな引っ掛けはあったが このテンポでこの完成度は見事。 エチュードOp.25-5:オーソドックスな演奏。 スケルツォOp.20:スケルツォの細かく速いパッセージは粒立ちが良い。中間部は大きく抑揚を付けながらも 流れは自然。
B 11. Kita Sakurako(北 桜子、日本) ノクターン枠でエチュードOp.10-3:自然で流れの良いオーソドックスな良い演奏。 エチュードOp.25-11:細かい動きも正確、技術的に破綻している部分はない、非常に完成度が高い、素晴らしい演奏。 エチュードOp.10-10:技術的に高度に完成されている。この作品の本来の美しさを自然に引き出している。 マズルカOp.24-4:細部の表現はよく考えられ練られているが、それが自然な流れの中に収まっている。 スケルツォOp.31:全体的にオーソドックスな演奏ですが、細かいパッセージの粒の揃い方が秀逸です。 最後大きく乱れてしまったのが本当に惜しい!これは大目に見てあげてほしいですね。
C 12. Kliuchereva Elizaveta(ドイツ) ノクターンOp.62-1:細部を適度にデフォルメしながら全体として自然な流れの美しい演奏。 エチュードOp.10-4:速く弾こうとしすぎて粒ぞろいや安定感が損なわれているのがもったいないです。 エチュードOp.25-6:概ね良いのですが音が不明瞭で所々テンポが不安定になるのが気になりました。
B~C 13. Kłeczeka Antoni(アメリカ/ポーランド) ノクターンOp.9-3:細部を丁寧に弾きながら旋律の流れも良い。 丸みを帯びたまろやかな音色だが、ダンパーペダルが控えめで、その分、音がクリア。 エチュードOp.25-10:強奏でも音が濁らない。中間部のオクターブの旋律は 響きのバランスも良く流れが自然。 エチュードOp.10-8:音の粒も揃い安定感のある演奏。最後はテンポを落としてフィニッシュ。 マズルカOp.50-3:この曲の標準的な演奏だと思いますが、何でもないところで音抜けや 引っ掛けが結構多く、もったいないと思いました。 スケルツォOp.39:ダイナミックでスケールの大きい良い演奏だと思いました。 全体的にあまり惹かれるものはなかったのですが、ポーランド人ということで、 多少有利になるのでしょうか。
B~C 14. Krstic Pavle(ブルガリア/セルビア) ノクターンOp.48-1:非常にすっきりとした流れ。後半に向けての盛り上がりも良いと思います。 エチュードOp.10-1:最後まで破綻した箇所がなく素晴らしい演奏でした。偶発的なミスは ノーカウントにしたいです。 エチュードOp.10-10:この曲の魅力を自然に引き出した概ね良い演奏。引っ掛けや音の不揃いが もったいないです。 マズルカOp.33-4:この曲の標準的な演奏で、適度に即興性があり、よいと思いました。 スケルツォOp.31:全体として良い演奏だと思いましたが、疲れのためか、 やや粗が多くなってきたのが惜しいです。
4月24日前半10時~14時(日本時間:4月24日(木)午後5時~9時)
B 1. Kyomasu Shushi(京増 修史、日本) 前回からの再挑戦。 ノクターンOp.62-2:艶と伸びのある音色で心を込めて1音1音丁寧に紡ぎ出し切々と語りかけるような演奏。 エチュードOp.25-11:偶発的なミスタッチはわずかにありますが、全く破綻のない完成度の高い オーソドックスな演奏でした。 エチュードOp.10-10:美音を基調としながら適度なルバートと抑揚をつけた美しい演奏。 全体的に、もっと右手外声部の音量が欲しい気がしますが・・・。 マズルカOp.59-3:奇をてらったところのない、けれんみのないひたすら美しいマズルカ。これはありだと思います。 スケルツォOp.54:一転してダイナミックな演奏。この曲はもっと軽快な演奏が好きですが、ミスタッチもほとんどなく 完成度が高いのは特筆すべきです。
D 2. Laothitipong Ariya(タイ) マズルカOp.30-3:弱音で音色が曇る。緊張のためか音の引っ掛けが多い。やや安定感に欠ける演奏。 エチュードOp.10-4:途中までは良い調子でしたが、中間部の最後の方で大きく崩れてしまいました。 コーダで大きく乱れて拍が抜け落ちてしまいました。 エチュードOp.25-5:この曲も主部で大きく乱れてしまいました。中間部の旋律の歌わせ方は良いと思いました。 最後のホ長調の上昇アルペジオを弾く指を見ると震えていました。ものすごい緊張が伝わってきます。 ノクターンOp.62-1:基本、美しいのですが、歌わせ方がやや粘っこいと思いました。 この曲はもっとあっさりしたスマートな演奏が好みの人も多いのではないでしょうか。 スケルツォOp.31:オーソドックスで良い演奏ですが、ミスタッチも多く決め手に欠ける印象です。 致命的なミスタッチによる大崩れが多数ありましたが、かなり緊張していたのだと思います。 今回の予備予選のレベルの高さを考えると、通過は難しそうです。
B~C 3. Lee Gichang(韓国) エチュードOp.10-12:技術的レベルは高くダイナミックで完成度の高い演奏。 エチュードOp.10-10:音楽性豊かな演奏ですが、右手の外声部の音量が少し足りないような気がしました。 ノクターンOp.48-1:オーソドックスな演奏。和音の強奏も音量は控えめ。 マズルカOp.24-4:感興豊かな演奏ですが、やや突っ走るところも。 スケルツォOp.31:第2主題の旋律部はメロディアスで美しい。難所も全く破綻がない。模範的な演奏。 全体的にかなりレベルが高い演奏ですが、やや強引なところがあり、それをどう判断するかで結果が変わりそうです。
B~C 4. Lee Kwanwook(韓国) マズルカOp.59-1:基本的には落ち着いた良い演奏ですが、滑らかさに欠け、やや流れが悪く固い演奏と感じました。 緊張のためだと思います。 エチュードOp.10-10:伸びやかで自然で技術的にもレベルが高い演奏でした。 エチュードOp.25-11:やや不明瞭で不揃いなところはありますが、ミスタッチはほとんどなく良い演奏だと思いました。 ノクターンOp.27-2:美音で旋律を美しく歌わせた良い演奏ですが、テンポの軸がややぶれるように感じました。 スケルツォOp.31:オーソドックスで美しく完成度の高い演奏。 この人もかなりレベルが高いです。 こうなると、こういう演奏をする人の誰を通過させ、誰を落選させるか、という問題になり、悩ましいですね。 今回の予備予選はレベルが高そうです。
C 5. Li Bowen(中国) ノクターンOp.62-1:やや曇った音色だが箱鳴りのする深い音色。トリルの連続部でテンポがいきなり速くなるのは意図的なのか、癖なのか。これだけの技術があれば修正できそうなので意図的なのだろうと思う。普通の演奏。 エチュードOp.10-8:やや引っ掛けや不揃いはあるが及第点か。テンポは速すぎず遅すぎず中庸。 エチュードOp.10-10:基本に忠実な演奏だが外声部が際立たず輪郭に乏しい感じ。 マズルカOp.30-4:抑揚があり自然な音楽性。 スケルツォOp.20:主部は技術的にレベルが高い。中間部は自然なルバート・抑揚をつけてしっとりと歌わせているが、 やや粘っこいと感じる向きもあるかもしれない。これは好みの問題か。 全体的に決め手にかける印象。通過は難しいか。
B 6. Li Luwangzi(中国) ノクターンOp.48-1:深い音色、ダイナミックでスケールの大きい演奏。 エチュードOp.10-5:粒立ちの良い音で軽妙で良い演奏。主部の出だしの左手の和音で音違いがあるが、 そういう版があるのか? エチュードOp.25-4:ミスタッチしやすい部分もノーミス、抑揚、メリハリの利いた良い演奏。 マズルカOp.59-1:哀愁の旋律・ハーモニーを節度をもって引き出しそうという意図は感じられるが、 途中、突っ走るところもあり、もう少し落ち着きが欲しい気が。 スケルツォOp.31:技術的に高いレベルで抑揚も自然。第2主題が2回目に出現するところでは、 オクターブの下の音を強調する工夫も(これはその前にこの曲を弾いた韓国人もやっているので、 最近の流行りなのでしょうか?(不勉強ですみません)) 適度に華やかで良い演奏だと思います。 全体的にダイナミックな演奏ですが、「速さ」や「強さ」で勝負しようという演奏にも感じられ、深みややや欠ける気がします。
管理人コメント
4月24日後半17時~21時(日本時間:4月25日(金)午前0時~4時)
B 7. Li Tianyou(中国) エチュードOp.10-8:軽妙なタッチで玉を転がすような粒ぞろいの音によるエチュード。 エチュードOp.25-4:軽快で洒脱な雰囲気の素敵なエチュード。 マズルカOp.59-1:オーソドックスで自然な演奏。強い自己主張はないが、とにかく筋が良い。 ノクターンOp.62-2:落ち着いたテンポでしっとりと謳わせたノクターン、安定していてよい演奏。 スケルツォOp.31:オーソドックスな演奏ですが、強奏でも音が割れず、1つ1つの音が明瞭に聴こえる。 この人の音の粒立ちの良さと筋の良さは天性のものだと思います。 やや軽くて線が細い感じも否めませんが、個人的にこういう演奏は好きな部類です。
B 8. Li Xiaoxuan(中国) 前回からの再挑戦。前回の演奏順は優勝者Bruce Liuの直前でしたね。背もたれのある椅子を使用していたのが 印象的でしたが、あの頃からだいぶ太ったでしょうか。 エチュードは最難曲を選択するあたり、意欲的なプログラミングですね。 マズルカOp.33-4:オーソドックスでありながら適度に即興性があり好ましい演奏だと思いました。 エチュードOp.25-6:不明瞭なところはありますが、概ね良い演奏、及第点ではあると思います。 エチュードOp.10-1:惜しいミスや引っ掛けはわずかにありましたが、良い演奏でした。 ノクターンOp.48-1:ダイナミックで技巧的な演奏。 スケルツォOp.39:かなり力任せの演奏を予想していましたが、予想に反し、落ち着いた足取りで 弾き進めていく王道の演奏でした。 ただ全体としてこの人が何をやりたいのか、今一つ見えてこないという点で、決め手に欠ける印象でした。
B~C 9. Li Xinjie(中国) ノクターンOp.55-2:伸びやかな美音で振幅を大きく取ったノクターン。 エチュードOp.10-1:テンポも速くダイナミックで技術レベルは高いですが、ところどころ惜しい引っ掛けがありました。 エチュードOp.25-4:かなりテンポの小気味よい演奏。 マズルカOp.50-1:リズミカルで即興性に満ちた良い演奏。 スケルツォOp.54:細かく速い動きの連続する部分でも感興の赴くままに即興的に演奏していて、 技術の高さがよく分かりますが、やや勢い余って破綻する部分もあり、若いな、と思いました。 面白い演奏ではありますが、個人的にはあまり好きなタイプの演奏ではないです。
A 10. Li Zhexiang(中国) マズルカOp.50-3:遅めのテンポで1つ1つの音に心を込めているのが伝わる、優しく柔らかい演奏でした。 ノクターンOp.48-1:他の奏者と違い暖色系のトーンで柔らかい感触の出だし。 最後のクライマックスでは強奏でも鍵盤を叩かない。「品」がある素晴らしい演奏。 スケルツォOp.39:オクターブ連続部はペダル控えめ、非常に丁寧で純度が高い。 コーダの動きはマルカートで全ての音がきれいに鳴っていて完璧な演奏。超一流ピアニストのよう。 あまりに素晴らしい演奏に、プログラムの途中だというのに、会場から拍手が! 本人、椅子から立ち上がり聴衆に向かって一礼。 エチュードOp.25-10:オクターブの連続でも全く濁らない、純度の高い響きが保たれる。 中間部のオクターブの旋律も静かな中にやるせない情緒も表出されており聴かせる。 間髪入れずエチュードOp.25-11:これほど技術的精度が高く音楽的にも純度が高い木枯らしは なかなか聴けないです。
B~C 11. Lim Juhee(韓国) マズルカOp.59-1:ちょっと固いかな、と思わせる演奏でしたが、緊張のためだと思います。概ね良い演奏です。 エチュードOp.10-8:テンポは速めで音の粒は揃い、爽快で力強い素晴らしい演奏。 エチュードOp.10-7:これも速めのテンポでありながら、3度と6度の1指の交代連打の動きはきれい。 右手第5指の旋律の音がやや弱いのが惜しいです。 ノクターン枠でエチュードOp.10-3:適切なルバートで旋律も十分歌っている、中間部の最後の方で 止まりそうなくらいテンポを落とすのは意図的なのだと思いますが気になりました。 スケルツォOp.54:高い技術と熱いパッションの華やかで情熱的なスケルツォ。
A~B 12. Lin Hao-Wei(台湾) 前回からの再挑戦(前回は予備予選落ち(演奏は未聴)。 ノクターンOp.27-2:瑞々しい美音。けれんみのない純粋無垢なノクターン。 マズルカOp.59-1:瑞々しい美音、アーティキュレーションが自然で最上の意味で模範的。 エチュードOp.10-8:玉を転がすような粒ぞろいの美音、高い技術、完成度。 エチュードOp.10-11:アルペジオの連続の最高音のメロディーラインがきれいにつながり、 ロマンティックな「歌」として聴こえる。素晴らしい演奏。 スケルツォOp.54:非常にオーソドックスで完成度が高い。音色が美しく技術レベルが高いため、 それだけで魅力的な演奏になる、これはその典型例。 奇をてらわず常に自然体。純粋無垢。こういう演奏、個人的にはすごく好きです。 前回は予備予選落ちだったそうですが、この人の演奏を聴くのは今回これが初めてです。
4月25日前半10時~14時(日本時間:4月25日(金)午後5時~9時)
C 1. Liu Yanan(中国) エチュードOp.10-1:惜しいミスタッチはあるが、表現の振幅が大きくスケールの大きい好ましい演奏。 エチュードOp.25-4:この曲にしてはややソフトなタッチ。やや惜しい引っ掛けが複数。 ノクターンOp.48-1:主部の旋律の節回しはやや恣意的に感じられましたが、好みの問題かも。 オーソドックスな良い演奏だとは思います。 マズルカOp.33-4:基本的には良い演奏ですが、テンポの軸のぶれと音の扱いがやや雑になる部分が 気になりました。 スケルツォOp.31:技術的にもよくオーソドックスな演奏ですが、粗くなる部分が散見されました。 全体的にあまり好きな演奏ではありませんでした。
B 2. Liu Ziyu(中国) ノクターンOp.48-1:主部の旋律部には細かい節回しを入れていますが、それが自然に収まっています。 クライマックスへの盛り上げは力をセーブ。「品」の良い演奏。 マズルカOp.33-4:リズム、節回しはよく考えられていて良い演奏。 エチュードOp.10-1:ダイナミックで美しく完成度の高い演奏。わずかな引っ掛けはありますが、 目立ったミスタッチなく最後まで。素晴らしい演奏。 エチュードOp.25-5:中間部はロマンティックな旋律が美しく浮き出ていて良いと思いました。 スケルツォOp.31:ロマンティックでダイナミックで良い演奏ですが、 強奏で音色が鋭くアグレッシブになるのが気になりました。
B 3. Luo Jiaqing(中国) エチュードOp.10-8:技術的に完成度が高く音楽的にもオーソドックスな良い演奏。 エチュードOp.10-7:速めのテンポですが、1指の連打は完璧。右の第5指の外声部が 少し埋もれ気味と思いました。 ノクターンOp.48-2:伸びやかな美音、控えめで自然なルバートをかけて 短音の旋律が美しい哀歌を歌う・・・これはこの曲の最も良い演奏の1つ。 この曲はこぶしをきかせるなどしてむやみやたらにこねくり回さない方が 美しくスマートに聴こえると個人的には思います。 マズルカOp.33-4:一転してこの曲は付点音符や装飾音の付近に細かい節回しを入れていて これも良いと思いました。 スケルツォOp.31:旋律はロマンティックですが、基本ダイナミックで迫力を重視した 華やかなスケルツォ。
4. Luo Zheng(中国)
C 5. Lyu Tianyao(中国) エチュードOp.10-8:ソフトなタッチで軽妙でオーソドックスな演奏。 エチュードOp.25-5:主部はやや明瞭さに欠けますが、中間部の旋律の歌わせ方は良いと思いました。 ノクターンOp.62-1:落ち着いてしっとりと歌わせていてよい演奏だと思いました。 ソフトな音色ですが、この曲はもっと冴えた音色の演奏が好みです。 マズルカOp.59-3:オーソドックスですが、全体的に小ぢんまりとした印象。 スケルツォOp.54:技術的にもレベルが高く安心して聴いていられる演奏だが、この曲にはもう少し歯切れの良さを 求めたい気も・・・。 音色の明瞭さや冴えに欠けるのは女性ピアニストのハンデかもしれません。
C 6. Lyu Zhiqian(中国) マズルカOp.33-4:概ね良い演奏だと思いましたが、装飾音やプラルトリラーの粒が粗くなることがあり、 全体的に散漫な印象と感じました。最後の強奏での終結にはびっくりしました。 エチュードOp.10-1:ダイナミックでスケールの大きい演奏。やや惜しいミスタッチあり。 エチュードOp.10-10:この曲にしてはダイナミックでやや一本調子。 この曲はルバートをきかせた詩情豊かな演奏が好きなので、好みにはやや合いませんでした。 ノクターンOp.48-1:ダイナミックで情熱的な演奏。強奏でややうるさく聴こえるのが難点か。 スケルツォOp.31:ダイナミックで迫力がありスケールの大きい演奏。 ただ全体として好きな演奏ではありませんでした。
C 7. Łozowska Julia(ポーランド) ノクターン枠でエチュードOp.25-7:陰鬱な情緒を歌い上げていてよい演奏だと思いました。 エチュードOp.25-5:主部ややや重い、中間部は即興性豊かでダイナミック。 エチュードOp.25-11:概ね良いと思いましたが、技術的に余裕がなく一生懸命さが伝わってくる演奏。 マズルカOp.30-4:自然でオーソドックスな演奏。 スケルツォOp.39:ダイナミックで即興性豊かな演奏。
4月25日後半17時~21時(日本時間:4月26日(土)午前0時~4時)
B 8. Ma Tiankun(中国) ノクターンOp.48-1:主部の旋律はすっきりした深い音色で流れが良い。 中間部後半から主部の再現の和音連続は迫力があり心に迫る。 エチュードOp.10-8:弾き始めに大きなミスが・・・輝かしい音によるダイナミックで迫力のある演奏。 エチュードOp.10-10:ダイナミックで「元気のよい」演奏。この曲のロマンティックな要素も 十分引き出している。 マズルカOp.33-4:オーソドックスだがややダイナミックで迫力重視の演奏。 スケルツォOp.31:迫力のある超絶技巧的演奏。これはこれで非常に立派。 中間部最後の同じ音型の繰り返しが1回抜けてしまいましたが、減点なしとしたいです。 こういうダイナミズムは「ショパンらしくない」という人も多いと思いますが、 かなりの腕達者であることは間違いないですし、このような演奏は何より「面白い」です。 この人が通るか落ちるかで、審査員の傾向を推測することができそうです。 個人的には通ってほしいです。 それにしても中国はこういうダイナミックなピアニストを次々に送り込んできますね。 日本人にはいないタイプですね。
C 9. Maekawa Megumi(前川 愛実、日本) マズルカOp.59-1:強めの音、速めのテンポで弾き進めていくマズルカ。 でもこのマズルカにはもっと哀愁、陰影を求めたい気も・・・ エチュードOp.25-11:速いテンポですが技術的に高度で迫力のある演奏でした。 エチュードOp.10-10:1つ1つの音が独立して明確な輪郭をもって立ち上がる、音楽的にも自然な流れで 良い演奏でした。 ノクターンOp.55-2:比較的強めの音を基調とした、「発音の良い」演奏ですが、 やや陰影に乏しい感じで、テンポも速めで一本調子に聴こえてしまいました。 スケルツォOp.54:技術的には高度ですが、この曲にはもっと軽妙さや陰影がほしいと個人的には思いました。 全体的に強めの音で弾き急いでいるように聴こえました。 もう少し弱音側の幅や陰影を求めたいと思いますが、わがままでしょうか。
C~D 10. Magamedova Anastasiya(アメリカ/タジキスタン) スケルツォOp.20:主部の難しいパッセージも即興的な変化を付けて演奏、迫力も十分だが技術的には粗さが 目立ちました。 ノクターンOp.55-2:右手と左手の音価が合わず安心して聴けない演奏になってしまいました・・・ エチュードOp.25-11:速いテンポの「攻めた」演奏ですが、技術的には粗いです・・・
C 11. Mamadaliev Iskandarkhon(ウズベキスタン) マズルカOp.33-4:この作品のオーソドックスを踏まえた上で適度な即興性と工夫のあとが見られる演奏。 エチュードOp.10-1:ところどころ惜しいミスタッチがありますが概ね良い演奏だと思いました。 エチュードOp.25-4:オーソドックスで良い演奏。 ノクターンOp.48-2:この曲にしては「動き」が多い演奏。この主旋律のシンプルな美しさを そのままの形で堪能したい人には合わないかも・・・聴き手を選ぶ演奏とも言えるでしょうか。 スケルツォOp.31:荒削りながらものすごい迫力!圧巻の熱演。 ただ個人的にはあまり好きな演奏ではないです・・・
A~B 12. Mao Xuanyi(中国)
Op.10-2の上手さに衝撃を受けました。これは今回も通過で間違いなさそうです。
C 13. Martin Gregory(アメリカ) ノクターン枠でエチュードOp.10-6:この曲の憂鬱な雰囲気を十分に引き出した自然な演奏。 エチュードOp.10-5:やや粗い部分はあるが概ね良い演奏だと思いました。 エチュードOp.25-4:ややミスが多く決め手に欠ける印象。 マズルカOp.41-1:この曲の憂鬱さを自然に引き出した演奏。 スケルツォOp.39:オーソドックスですが技術的にやや粗いと思いました。 今回の出場者のレベルの高さを考えると通過は難しそうです。
B~C 14. Micieli Ruben(イタリア) エチュードOp.10-12:技術的には高度、ダイナミックでありながら弱音部分の扱いが丁寧で彫が深い。 エチュードOp.25-5:オーソドックスで良い演奏。 マズルカOp.24-4:軽快で洒脱なリズム。やや軽いが強奏では十分にダイナミック。 スケルツォOp.39:ダイナミックで良い演奏。技術の精度は高いがところどころ惜しいミスが・・・。 ノクターンOp.27-2:滴るような美音と自然な音楽性。
4月26日前半10時~14時(日本時間:4月26日(土)午後5時~9時)
C 1. Milstein Nathalia(フランス) ノクターンOp.27-1:オーソドックスで美しい演奏。 エチュードOp.10-5:歯切れがよさそうだが音の粒ぞろいは今一つ。 エチュードOp.25-10:適度にダイナミック、強奏でも音はあまり濁らない。 マズルカOp.50-3:オーソドックスな演奏だが、 スケルツォOp.54:技術的には一応問題なく弾けていますが、粒ぞろい、完成度は今一つと思いました。
C~D 2. Moliszewska Maria(ポーランド) マズルカOp.59-3:情熱的で良い演奏だと思いましたが、最後の方で脱線しかけてヒヤッとしました。 エチュードOp.10-8:これはさすがにミスと引っ掛けが多いのではないかと・・・緊張のせいだと思いますが。 エチュードOp.25-5:主部はリズムがやや不安定・・・中間部は美しく流れていてよい演奏だと思いました。 ノクターンOp.62-1:美しくオーソドックスですが、音の粒立ちがはっきりせず、決め手に欠ける印象。 スケルツォOp.31:ダイナミックでオーソドックスな良い演奏だと思いましたが、技術的にはやや不安定でした。
B 3. Nakagawa Yumeka(中川 優芽花、日本) ノクターンOp.62-1:落ち着いたテンポでしっとりと歌わせた演奏。トリルも粒が揃っていました。 エチュードOp.10-8:音の粒立ちもよく技術的にも高度。抑揚も自然で良い演奏だと思いました。 エチュードOp.10-10:安定した技術でこの曲の魅力を自然に引き出した演奏だと思いました。 マズルカOp.30-4:リズムが安定して、プラルトリラーも粒が揃い、完成度が高いマズルカでした。 スケルツォOp.39:ダイナミックで完成度の高い良い演奏でした。
B~C 4. Nakashima Yulia(中島 結里愛、日本/韓国) ノクターンOp.55-2:伸びやかで素直な音楽性が光るロマンティックなノクターン。最後の2つの和音の音量も センスが良いと感じました。 エチュードOp.25-11:ノーミスというわけにはいきませんでしたが、速いテンポでこの完成度はさすがです。 エチュードOp.25-5:技術的にも安定していて、中間部の旋律も美しくロマンティックで良い演奏だと思いました。 マズルカOp.24-4:基本的なマズルカリズムを押さえながら、即興性豊かで自由自在。 作品を自分のものにしている印象。 スケルツォOp.54:技術的に高度で華やかなスケルツォですが、やや弾き急ぎのきらいも・・・
A 5. Fanze Yang(中国) エチュードOp.10-5:粒立ちの良いキラキラとした音色で目の覚めるような気持ちの良い演奏。 エチュードOp.25-6:言わずと知れた超難曲ですが、何という俊敏な指さばき。抜群のコントロール。 久々にこの曲の真の名演に出会えました。 ノクターンOp.27-2:抑制のきいた美音と節度のある息の長いフレージングで気品のある格調高いノクターン。 マズルカOp.30-3:リズムの面白さ、和声の変化や転調の妙味を存分に引き出していて見事だと思います。 スケルツォOp.39:ダイナミックさと繊細さを併せ持つ、スケールの大きい演奏。 最後の方は疲れのためかややミスが目立つようになってきたのが惜しまれます。 やや粗削りなところはありますが、テクニック、音楽性ともに非常に筋がよく、大器のポテンシャルがありそうです。
B~C 6. Juan Mas Choclán(スペイン)
エチュードハ短調Op.10-12 ノクターンOp.62-2:優しく語り掛けるような温かい演奏。思わずほろりと来てしまいそうです。 中間部やかなりテンポを動かした自由な演奏。 マズルカOp.30-4:テンポやデュナーミクはかなり大きく動かしていますが、それが逆にこの曲の本来の良さを 引き立てていました。 エチュードOp.10-11:かなりルバートをかけていますが、この曲の旋律やハーモニーの美しさは 十分表出されていてよい演奏だと思いました。 エチュードOp.10-12:技術的な精度は粗いですが、力強く輝かしい演奏。これはこれで素晴らしい演奏だと思いました。 スケルツォOp.31:自由で大らかでスケールの大きいロマンティックなスケルツォでした。 細かいことは気にしないという趣で、アジア人とのアプローチの違いが歴然としていると感じました。 これまでの出場者で多数を占める「優等生的」なピアニストとは方向性が異なる、このような、 音楽をよりマクロに大きく捉えた おおらかな演奏は、審査的にはどのような扱いを受けるのか、全く読めないです。
A~B 7. Nishimoto Yuya(西本 裕矢、日本) ノクターンOp.48-1:静謐な詩情を落ち着いたテンポで表出。強奏はややソフトで節度を持って表出。 エチュードOp.10-8:比較的落ち着いたテンポで粒がきれいに揃った完成度の高い素晴らしい演奏。 エチュードOp.25-10:オクターブ連続も安易に弾き飛ばさず、地に着いた足取りで丁寧に演奏。完成度が高い。 マズルカOp.33-4:実直で安定感のある演奏。あまり面白みはないとも言えますが、基本に忠実で個人的には好きな演奏です。 スケルツォOp.31:上品で繊細で非常に丁寧な演奏。力で押しまくる奏者が多い中で、このような演奏は珍しく、耳に新鮮に聴こえました。 全体的に非常に丁寧で精緻な演奏で、安定感抜群ですが、全体的に音量が小さいように感じました。審査でこれがマイナス点にならなければ良いのですが。でもショパンは本来こうあるべきだと思いますし、個人的には好きな演奏なので、買いかぶりすぎかもしれませんが、A~Bとしました。
4月26日後半17時~21時(日本時間:4月27日(日)午前0時~4時)
C 8. Ojiro Anna(尾城 杏奈、日本) ノクターンOp.62-2:ソフトな音色がこの曲の優しい曲調にマッチ。自然な流れのオーソドックスな良い演奏。 エチュードOp.25-6:音の粒はやや不揃いながら、この難曲をここまで弾けていれば・・・ エチュードOp.10-8:音楽的には良い演奏だと思います。 マズルカOp.59-1:表現力豊かで良いと思いますが、もう少しフレージングが長い安定した演奏の方が好みです。 スケルツォOp.54:全体としてはオーソドックスで良い演奏だと思いますが、技術的にはやや粗い・・・ 他の出場者のレベルの高さを考えると通過は厳しいでしょうか・・・
C 9. Ong Vincent(マレーシア) ノクターンOp.62-1:遅めのテンポを軸に細かくテンポを動かす。 ただもっと流れの良い自然な演奏の方が好みです。 エチュードOp.10-1:ダイナミックで良い演奏。 エチュードOp.25-6:不揃いなところはありますが概ね良い演奏。 マズルカOp.50-3:テンポを細かく動かして揺らぎを作っていますが、僕の好みには合いませんでした。 スケルツォOp.39:技術的には良いと思いますが、あまり奇をてらわない、余計なことをしない演奏の方が好みです。
B~C 10. Onoda Arisa(小野田 有紗、日本) ノクターンOp.48-1:オーソドックスで中間部後半から主部の再現部への盛り上げ、ダイナミックな表現は 素晴らしいと思いました。 エチュードOp.25-6:速めのテンポですが基本的に音の粒は揃っていて良い演奏でした。 エチュードOp.10-8:音の粒は揃っていて音楽的にも素晴らしい演奏でした。 マズルカOp.59-3:この曲の標準的な演奏。奇をてらわず基本に忠実な演奏スタイル。 スケルツォOp.20:主部はダイナミック、中間部の旋律の美しさも十分引き立てていました。 全体として印象に残りにくいタイプの演奏ではありますが、通過は期待できると思います。
B 11. Pan Wenyuan(中国) ノクターンOp.48-1:箱鳴りのする深い音色でダイナミックにピアノを歌わせ、感動的な終結部を迎える。 マズルカOp.41-1:この目立たない地味なマズルカから最もダイナミックな要素を自然に引き出していて 素晴らしいと思いました。 エチュードOp.10-5:粒立ちの良いキラキラした音色で良い演奏でした。 エチュードOp.10-10:この曲の音楽的な魅力を存分に引き出した素晴らしい演奏。 ただ技術的にやや不明瞭な部分が散見されたのが惜しまれます。 スケルツォOp.31:ダイナミックな第1主題とメロディアスな第2主題の対比が見事。 やや粗削りながら、ダイナミックでスケールの大きい男性的な演奏でした。 この人の演奏は非常にダイナミックですね。だからこそカンタービレの美しさもより引き立ちますし、 やはり強く美しい音が出せるピアニストはそれだけで圧倒的に得ですね。 見た目によらず腕っぷしが強いのでしょうね。
B 12. Park Chaelin(韓国) マズルカOp.41-4:ロマンティックで良いマズルカだと思いました。途中、少し乱れてしまいましたが・・・ ノクターンOp.48-2:1音1音大切に丁寧に紡ぎ出していく、流れが自然で美しい演奏。 中間部は適度な即興性が良いと思いました。 エチュードOp.10-4:音の粒も揃い迫力も十分、安定感があり素晴らしい演奏。 エチュードOp.25-6:やや遅めのテンポですが、きれいに粒が揃い、ほぼ完璧な演奏でした。 スケルツォOp.20:技術的に正確で迫力不足にもなっていない、良い演奏。 中間部のクリスマスソングも自然な抑揚を付けて音楽的な良い演奏。 高い技術と自然な音楽性。決め手に欠ける印象ですが、通過と思います。
B 13. Park Jinhyung(韓国)
前回からの再挑戦。予備予選では良い演奏をしていた人です。
C 14. Prokopowicz Yehuda(ポーランド) ノクターンOp.48-2:伸びのある美音で自然な節回しの良い演奏。最後の方はもっと流れの良い演奏が好きですが。 エチュードOp.25-10:主部はダイナミックですが、やや粗いところも。中間部も基本的には良いと思いましたが、途中、 音楽の流れが「溜め」が強すぎて止まりそうになるところも。実際、ちょっとした弾き直しが。 エチュードOp.10-12:荒っぽいですが迫力がありダイナミックな演奏。
4月27日前半10時~14時(日本時間:4月27日(日)午後5時~9時)
A 1. Boggian Tommaso(イタリア) ノクターンOp.62-1:落ち着いたテンポで自然な流れのシックで上品なノクターン。 エチュードOp.10-8:キラキラとした輝かしく粒の揃った音で、完成度の高く美しい演奏。 エチュードOp.10-7:惜しい引っ掛けはありましたが、技術的には完成度の高い演奏でした。 マズルカOp.24-4:伸縮自在のテンポ、表現がこなれていると思いました。 スケルツォOp.54:主部は軽妙で洒脱、音の粒も揃っている。 中間部はテンポの軸がぶれず、ルバートのセンスが抜群。この鬱屈した旋律の本来あるべき姿で再現されている。 この作品の理想的な演奏の1つ。 ※前々回のシャルル・リシャール・アムランを思い出しました。この人のコンサートを聴きに行きたくなりました。
C 2. Qin Yangyue(中国) エチュードOp.10-10:音楽的には良い演奏ですが、技術的にやや不安定・・・ エチュードOp.10-4:音はやや不揃いながら、大きなミスはなく良い演奏だと思いました。 ノクターンOp.27-2:旋律の美しさを自然に引き出していて良い演奏だと思いました。 マズルカOp.24-4:各楽想の表情付けが自然で良い演奏だと思いました。 スケルツォOp.54:全体として良い演奏だと思いましたが、技術的に不安定なのが惜しいです。
A 3. Rao Hao(中国) 前回2021年第18回ショパンコンクールでは弱冠17歳で本選に進出。 ご記憶の方も多いのではないかと思いますし、この日を楽しみにしていた方も多いと思います。 ノクターンOp.55-2:自然な流れですが、細部の表現はよく考えられ、練られている、 やや考えすぎのきらいもありますが、良い演奏だと思いました。 マズルカOp.30-4:遅めのテンポで丁寧な音楽作り。安定していて安心して身をゆだねられる演奏。 エチュードOp.10-2:技術的に安定していてミスタッチが全くない、まさに完璧な演奏! エチュードOp.25-11:確かな足取りで弾き進めていく非常に丁寧な木枯らし。ミスもほとんどなく完璧。 スケルツォOp.39:確実に大切に弾き進めていく。丁寧でありながらダイナミックで迫力もあり王道のスケルツォ。 期待を裏切らない演奏と思いました。今回も期待できるのではないでしょうか。
B 4. Rodrigues Uemura Ingrid(ブラジル) ノクターンOp.55-2:旋律を伸びやかに歌わせる。屈託のないストレートで素直な演奏、好感が持てます。 エチュードOp.25-5:流れも自然で伸びやかで素直な良い演奏だと思いました。 エチュードOp.10-4:きれいに粒が揃い技術的に非常に上手い演奏で感動しました。 マズルカOp.24-4:心にストレートに響く素直で好感が持てる演奏。 スケルツォOp.39:適度にダイナミックで細かい動きも粒が揃っていて完成度が高い。素晴らしい演奏。 この人の演奏もなかなかよさげですね。 ※このセッションはレベルが高かったですね。
C 5. Sejbuk Zuzanna(ポーランド) マズルカOp.41-1:憂鬱な雰囲気の中にドラマティックな要素も十分に引き出した良い演奏だと思いました。 エチュードOp.25-5:技術的にも音楽的にも優れた良い演奏。 エチュードOp.10-8:音の粒が揃っていて完成度が高い。ちょっと引っ掛けがあり惜しいです。 ノクターンOp.37-2:流れが自然で美しくしなやかなノクターン。 スケルツォOp.54:細部が粗くなりミスが多発し完成度が甘くなってしまいました。疲れでしょうか。 他の曲が良い演奏だっただけに残念です。
C 6. Sen Efe(トルコ) ノクターンOp.48-1:出だしの旋律の抑揚が感動的で既に聴く人の心をつかむ。 中間部後半から最後にかけてのクライマックスはダイナミックで聴いている人の身体に電気が走るような 感覚を覚えるほど。非常に良い演奏でした。 エチュードOp.25-5:特に中間部の感興豊かでスケールの大きい表現が秀逸。 エチュードOp.10-1:この曲を「大きく」捉えた演奏ですが技術的にやや不安定・・・ マズルカOp.41-1:ピアノを完全に鳴らしきった美しい和音が聴きもの。 スケルツォOp.31:やや荒削りながらダイナミックでスケールの大きい良い演奏。
A 7. Shi Hanwen(中国) ノクターンOp.27-2:シャープですっきりとした音色で奇をてらわず素直に演奏、 この作品のありのままの姿を再現した良い演奏だと思いました。 マズルカOp.59-1:クリアな音色で適度に陰影をつけていて、確かな輪郭と手ごたえの感じられる立体的な マズルカだと思いました。 エチュードOp.10-4:テンポは速いのですがダイナミックで技術的に正確で非の打ちどころのない圧巻の演奏。 エチュードOp.25-10:ダイナミックだが音が濁らない、 中間部のオクターブの旋律部は音量と和音のバランスが鉄壁のコントロール。若き日のポリーニを彷彿と させます。 スケルツォOp.54:和音の連続部も1つ1つの和音のバランスは完璧、主部の中ほどの例の難所も 粒が揃い、テンポも自在、完全に弾きこなしている。 中間部の憂鬱な旋律も余計なことをせずに聞く人の心に真っすぐに届けてくれる。非常に優れた演奏。 これはまたとんでもない大物が出てきましたね。
4月27日後半17時~21時(日本時間:4月28日(月)午前0時~4時)
C 8. Shigemori Kotaro(重森 光太郎、日本/フランス) ノクターンOp.62-2:丸みを帯びた温かい音色がこの曲の優しい旋律にマッチしている。 まろやかで安定した演奏で安心して身をゆだねることができる良い演奏。 エチュードOp.10-1:概ね良い演奏ですが、もったないミスや引っ掛けが結構多い・・・ エチュードOp.10-10:音楽性豊かで良いと思いますが右手の外声部がもっと際立たせた演奏が好きです。 マズルカOp.50-3:とてもまろやかで音楽的な良い演奏だと思います。 スケルツォOp.54:細かいパッセージの音の粒が揃っていて、聴いていて心地よい演奏。 ミスが多いですが、技術的には安定しているので普段はもっと弾けているのだと思います。 実力を出し切れなかったようで残念です。
B 9. Shimada Jun(島田 潤、日本) ノクターンOp.48-1:冴えた弱音から始まって曲が進むにつれてダイナミックに盛り上げて行く。 劇的で感動的なクライマックス。素晴らしい演奏でした。 エチュードOp.10-10:技術的に非常に安定していて、この作品の音楽的な魅力も 十分すぎるほど引き出していて見事です。 エチュードOp.25-11:速めのテンポの「攻めた」演奏。偶発的なミスはあるが、 技術的な精度は非常に高い。良い演奏です。 マズルカOp.56-3:他の出場者が敢えて避けるこの屈折した音楽的に難しい作品を選曲するところに 気概が感じられます。音楽的に表現力豊かで良い演奏だと思いました。 他のマズルカ、例えばOp.24-4やOp.33-4が食傷気味の耳にこの曲が心地よく響き、 この選曲は成功と言えそうです。 スケルツォOp.39:特に高音から駆け下りてくるキラキラした音型の粒の揃い方は これまでのこの曲を弾いた全出場者でこの人が一番。 コーダもダイナミックでありながら精緻。
B~C 10. Shin Hyojin(韓国) エチュードOp.25-5:技術的に安定していて音楽的にも自然で良い演奏。 エチュードOp.25-11:音の粒が非常によく揃っていて技術的に安定している。 引っ掛けやミスは偶発的、ノーカウントにしたい。 ノクターンOp.48-2:流れに淀みがなく自然で美しい演奏。 マズルカOp.30-3:リズムの刻み方やテンポの配分など全てがよくコントロールされていて良い演奏。 スケルツォOp.31:全体的に丁寧でロマンティックな演奏。
B 11. Shindo Miyu(進藤 実優、日本) ノクターンOp.27-2:そのまま弾いても十分に美しい曲ですが、そこに細かいテンポの揺らぎを入れて、 流れが単調にならない工夫が随所に見られる、創意工夫に満ちた良い演奏だと思います。 スケルツォOp.31:ロマンティックな演奏。細かい音型の粒がきれいに揃っていて完成度が高い。 マズルカOp.56-1:適度な即興性でこの作品の自由で夢想的な雰囲気を十分に引き出していて素晴らしい演奏です。 エチュードOp.10-10:右手の内声と外声のバランスがよくこの作品の音楽的な魅力も自然に引き出していて 良い演奏でした。 エチュードOp.25-11:音の粒立ちが良くミスタッチもほとんどない、素晴らしい木枯らしでした。
B 12. Shoji Mana(東海林 茉奈、日本) マズルカOp.24-4:緊張のためか、やや慎重で固めな出だし。 遅めのテンポで丁寧な音楽作り。 スケルツォOp.31:変ト長調で始まるロマンティックな旋律は、流れが自然で美しい。 難所も音の粒立ちがよく完成度の高い素晴らしい演奏。 ノクターンOp.27-2:余計なことをせずに作品に語らせる趣。控えめでセンスの良いルバートが耳に心地よい。 装飾的パッセージのバリエーションを取り入れているのも興味深い。 エチュードOp.10-8:速い動きも音の粒立ちがよく爽快な演奏。ほぼ完璧。 エチュードOp.10-10:技術的に完成度が高く音楽的にもロマンティックな演奏。
A~B 13. Starikov Vitaly(イスラエル)
2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール第5位、2023年シドニー国際ピアノコンクール第6位 この人、顔の輪郭や髪型がブレハッチに似ていると思いませんか?いや似てないか・・・
A 14. Strata Gabriele(イタリア) ノクターンOp.27-2:滴るような美音、遅めのテンポでこの曲に宿る静謐で神々しい雰囲気を醸し出す。 マズルカOp.30-3:基本的に楽譜に忠実な演奏ですが、適切なルバートとデュナーミクにより、 このマズルカの美しさや面白さが自然に引き出される。 エチュードOp.25-10:主部は強奏でも音が濁らずクリアに聴こえる。 中間部のオクターブの旋律部はセンスの良い適度のルバートで硬質な音色とハーモニーが 鉄壁のコントロールを得てロマンティックに浮かび上がる。圧巻の演奏。 エチュードOp.10-5:速すぎないテンポで音の粒はクリア、軽妙で上質な素晴らしい演奏。 スケルツォOp.39:オクターブ連続部も力任せではなく音量と音質、タッチがよくコントロールされていて 完成度が高い。高音から駆け下りてくるキラキラした音型の部分も粒が揃い、清々しく爽やか。 コーダも安易に弾き飛ばさず非常に丁寧で精緻でありながら十分ダイナミック。圧巻の演奏。
4月28日前半10時~14時(日本時間:4月28日(月)午後5時~9時)
B~C 1. Strejcová Eva(チェコ) ノクターンOp.27-1:ルバートは少なめでセンスが良い。自然に流れていくほの暗い旋律。 中間部の盛り上げ方も自然で良い演奏。 エチュードOp.10-5:速すぎないテンポ、粒も揃っていて良い演奏。 エチュードOp.25-5:全く破綻がない、極めて自然体。中間部のロマンティックな旋律のフレージングも素晴らしいと 思います。 マズルカOp.56-3:細切れの楽想を自然に描き分けて1曲としてまとめている。正統派の演奏。 スケルツォOp.20:主部は遅めのテンポで、ペダルは少なめで1つ1つの音がクリア。 中間部の旋律の歌わせ方もオーソドックスだが内声部を強調するなどの工夫も。 全体的にそつなく弾いてはいますが、いわゆる「守りの演奏」なので、印象に残りにくそうです。
B 2. Su Szu-yu(台湾) 前回からの再挑戦(前回は2次予選まで)。 ノクターンOp.27-2:オーソドックスで流れも自然で美しい演奏。 マズルカOp.24-4:デュナーミクもアゴーギクも大きいが全てが自然。模範的な演奏。 エチュードOp.25-5:流れがよく完成度も高い。中間部もロマンティックで美しい。 エチュードOp.10-4:音の粒がきれいに揃い、迫力も十分。素晴らしい演奏。 スケルツォOp.54:技術的にかなり正確で切れ味が鋭く完成度の高い演奏。 技術的な完成度は極めて高いのですが、印象には残りにくいかもしれません。
A~B 3. Sun Fansum Kenny(中国) ノクターンOp.48-1:深い音色、中間部後半からコーダへの盛り上げ方もドラマティックでよいと思います。 エチュードOp.10-1:ダイナミックで音の粒立ちも良い、ミスタッチも少ない。素晴らしい演奏。 エチュードOp.25-10:ダイナミックで完成度高い。中間部のオクターブの旋律も流れが自然で深い。 マズルカOp.33-4:オーソドックスで適度にリズミカル、上質なマズルカ。 スケルツォOp.39:主部のオクターブ連続部は迫力十分ですが、 ダンパーペダルを控えめにしてクリアさを意識していると思われます。 高音から駆け下りてくる音型も粒がきれいに揃い美しい。コーダも迫力だけでなく技術的精度も高く圧巻。
B 4. Sun Haolun(中国) ノクターンOp.48-1:比較的ソフトな音色で静かな出だし、後半のクライマックスに向けて 徐々に高揚していく流れの作り方が秀逸。 エチュードOp.10-7:交代連打のタッチがクリア、若干のミスタッチはありますが良い演奏です。 エチュードOp.10-12:技術的に完成度が高い。情熱的で迫力のある演奏。 スケルツォOp.39:ダイナミックでピアノを完全に鳴らし切っている。コーダは超絶技巧系の弾き方。 マズルカOp.59-3:概ね良い演奏ですが、テンポ配分、強弱などは僕の中にあるこの曲の理想とはちょっと違いました。
B 5. Sun Yutong(中国) 前回からの再挑戦。 マズルカOp.56-1:ルバートは大きいが方向性は正しくこの曲のオーソドックスを踏まえたもの。 この曲の美しさと面白さの両方を引き出した良い演奏だと思いました。あの大きなミスがなければ・・・ エチュードOp.25-5:最初の方で大きなミスが・・・しかし中間部の陶酔するような「歌」はそれを補って余りある。 エチュードOp.10-1:ダイナミックでスケールの大きい立派な演奏。多少の音の不揃いはノーカウント。 ノクターンOp.48-1:中間部後半の両手のオクターブ進行でドキッとするような脱線が・・・ でもこの人のフォルティッシモの音色、好きです。中間部後半からの展開は惹きこまれました。 スケルツォOp.39:基本的にとても良い演奏でしたが、弾き直しが・・・悪夢を見ているような・・・ 技術的には完成度が高いので、普段はかなり弾けていたはずです。 この人の実力にしてこの弾き直しは信じられないです。あまり緊張しないタイプに見えますが、 実は相当緊張していたのだと思います。 もう一度聴きたいという意味では通過に一票です。 弾き直しと言えば、ユンディ・リが優勝した2000年第14回ショパンコンクールで第3位となった アレクサンデル・コブリンは予選でこのスケルツォOp.39の演奏中、止まってしまい、弾き直しをしてしまいました。 それでも予選を通過して第3位を獲得しています。 前回のショパンコンクールの1次予選でエチュードOp.10-2で弾き直しを繰り返しパニックになった ピアニストのことは記憶に新しいです。 コンクールには魔物が棲むと言われますが、本当に怖いです。
A 6. Tan Qianlin(中国) ノクターンOp.48-2:速めのテンポ。良く言えば「流れが良い」とも言えますが、 悪く言えば「陰影に乏しい」とも。緊張のだめだと思います。 マズルカOp.59-1:この作品のオーソドックスを踏まえた演奏。もう少し哀愁が漂う演奏の方が好きですが。 エチュードOp.10-4:異常なほど粒立ちが揃い恐ろしいほどの高い完成度の圧巻の演奏でした。 エチュードOp.10-2:この屈指の難曲エチュードをここまで滑らかに弾かれては形容する言葉もないほどです。 スケルツォOp.31:ダイナミックでありながら繊細かつロマンティック。 中間部後半やコーダなどの難所も無駄にテンポをあげず、1つ1つのパッセージをクリアに処理。 非常に完成度が高く美しい圧巻の演奏でした。
4月28日後半17時~21時(日本時間:4月29日(火)午前0時~4時)
B 7. Tao Nachuan(中国) マズルカOp.33-4:全体的に軽いタッチのオーソドックスな演奏。 ノクターンOp.62-2:落ち着いたテンポのごく普通の演奏。ただもっと流れの良い自然な演奏の方が好きです。 エチュードOp.10-8:粒立ちの良いタッチの軽妙で素晴らしい演奏。 エチュードOp.25-5:技術的に高度な演奏。中間部の旋律はあっさり目。もっと朗々と歌う演奏が好みです。 スケルツォOp.54:細かいパッセージは軽妙で粒ぞろいのタッチ。中間部の歌がやや平板な印象。 好みの問題でしょうか。
A~B 8. Tao Ziye(中国) マズルカOp.41-1:落ち着いた遅めのテンポでしっとりと歌わせ、最後の盛り上げも節度と品を保つ。 スケルツォOp.54:速い和音の連続も抜群の切れ。細かいパッセージも均質なタッチでコントロール抜群。 中間部の憂鬱な旋律も流れが自然で良い。 エチュードOp.10-4:軽妙で軽やかで音の粒も揃っている。ダイナミックでもあり振幅の大きい名演奏。 エチュードOp.25-6:概ね良い演奏。弾きにくい部分のテンポが不自然に落ちるのはやむを得ないか。 ノクターン枠でエチュードOp.25-7:憂鬱でやるせないという趣のこの旋律に極めて深い共感を抱きながら 演奏しているのが、よく伝わってくる(顔芸も含めて)演奏でした。
B~C 9. Tian Hao(中国) ノクターンOp.62-1:それそれの音、フレーズに「ゆらぎ」を入れて濃厚な表情付け。 流れが単調にならない工夫だと思いますが、それが鼻につく人もいるかも・・・ エチュードOp.25-5:中間部はかなり即興性が強くルバートも多め。これも好みが分かれそうな演奏です。 エチュードOp.10-5:速めのテンポ、かなり自在にテンポを動かし、躍動感に溢れた生き生きとした音楽が立ち上がる。 マズルカOp.59-1:この作品は付点音符、プラルトリラー、装飾的パッセージが頻出しますが、 それらが躍動感をもって生き生きと立ち上がってきます。ユニークではありますが、これは十分「あり」な 演奏だと思います。 スケルツォOp.54:かなりテンポを大きく動かし聴く人を強烈にドライブするような演奏。 聴いていてちょっと疲れますが、 これだけやりたいことを聴く人にはっきり伝えてくれるピアニストはなかなかいないですし、 それを可能にする技巧と思い切りの良さも素晴らしいです。 個人的には好きなタイプではないですが、興味深い演奏をする人ではあります。
A~B 10. Tie Shunshun(中国) 前回からの再挑戦。前回の予備予選でも非常に良い演奏をしていて、こちらでも一押しの出場者として 注目していた人です(結果は1次予選敗退)。 ノクターン枠でエチュードOp.25-7:淡々と弾いているようで左手の旋律は十分表情豊かに歌わせていて、 憂鬱な中に宿るやるせなさを静かに表出していました。センスの良い演奏です。 エチュードOp.10-8:音の粒立ちは驚異的で「メカニック」の一歩手前。素晴らしい演奏です。 エチュードOp.25-5:技術的に高度で完成度が高い。中間部はかなり大きくテンポを動かして即興性豊か。 マズルカOp.30-4:オーソドックスな演奏ですが、ややテンポが速いような気も・・・ スケルツォOp.20:メカニカルなテクニックがこの作品の技術的性質にマッチしていて、 非常にシャープな輪郭を持つ音楽として立ち上がっていました。
C 11. Tomica Mateusz(ポーランド) ノクターンOp.27-1:ルバートは少なくあっさり目ですが、それがこの作品のほの暗い雰囲気に合っていて 良い演奏です。 エチュードOp.10-7:遅めのテンポで確実性を重視した演奏。3度と6度の交代連打、難しいですよね。 エチュードOp.25-11:概ね良い演奏だと思いますが、技術的に少し弱く不安定なのが気になりました。 マズルカOp.33-4:オーソドックスな演奏だと思いますが、 プラルトリラーや装飾的パッセージの処理はやや曖昧な部分もありました。 スケルツォOp.20:普通の演奏ですが、技術的にはやや粗い・・・ メカニックサイボーグ集団の中国勢と比較してしまうと、欧米人の出場者はおしなべて技術的に聴き劣りしてしまうのは 仕方ないですね。
B~C 12. Trevelyan Julian(イギリス)
2015年ロン=ティボー国際コンクール第2位(1位なし) ミスタッチも多く、脱線しかけたところもありますが、緊張のためだと思います。 自分の音楽を持っていて聴く人にはっきりと伝えてくれる貴重な存在だと思います。
C 13. Trubač Vojtěch(チェコ) ノクターンOp.27-2:装飾的パッセージのバリエーションを採用。落ち着いたテンポで控えめなテンポルバート、 聴きやすい演奏。ミスや引っ掛けは多め。 マズルカOp.59-1:リズムは重め、この曲にしては重厚感のあるマズルカ。 エチュードOp.10-5:ソフトな優しいタッチの比較的大人しめの黒鍵のエチュード。 エチュードOp.10-10:ロマンティックで良い演奏だと思いますが、音の不揃いやミスは多め。 スケルツォOp.20:重厚なスケルツォ1番。
4月29日前半10時~14時(日本時間:4月29日(火)午後5時~9時)
B 1. Guo Eric(カナダ)
ショパン国際ピリオド楽器コンクール第1位
B~C 2. Deng Yubo(中国) ノクターン枠でエチュードOp.25-7:落ち着いた遅めのテンポで丁寧な音楽作り。やや固いか。 エチュードOp.25-10:オクターブの連続部は遅めのテンポで確実な進行。 中間部のオクターブの旋律部はやや固さがあると思いました。 エチュードOp.25-11:音量とテンポを抑え気味にした丁寧な演奏。アシュケナージの演奏を彷彿とさせる。 マズルカOp.30-4:この曲の標準を踏まえた良い演奏ですが、これもやや固いような気がします。 スケルツォOp.39:遅めのテンポで丁寧な弾き方。良い演奏。
C~D 3. Tellian Kiron Atom(オーストリア) ノクターンOp.62-1:タメを作りながら非常に遅いテンポで切々と語っていくような演奏。 マズルカOp.33-4:リズム、テンポ、強弱をかなり大胆に動かしているが作品の枠内に収まっている。良い演奏。 エチュードOp.25-11:弾き始めは速いテンポでしたが難所でテンポが落ちてしまう、不安定な演奏となってしまいました。 エチュードOp.25-6:緊張のためだと思いますが、恐らく本人にとってもかなり不本意な出来だと思います。 スケルツォOp.54:即興性が強い弾き方。テンポをかなり大きく動かして変幻自在な演奏。ミスタッチ多く、脱線もあり。
B~C 4. Tsujimoto Rikako(辻本 莉果子、日本) マズルカOp.56-3:この曲のオーソドックスを踏まえた良い演奏。 エチュードOp.25-5:中間部のフレージングはあっさり目、良い演奏。 エチュードOp.10-4:音の粒も揃い迫力十分、ミスタッチもほとんどない。素晴らしい演奏。 ノクターンOp.27-1:主部はルバート少なめ、あっさりしていて聴きやすい。中間部は十分に迫力もあり ドラマティック。 スケルツォOp.20:技術的も良く音楽的にも妥当。ただあまり特徴がないというか・・・
B 5. U Chun Lam(中国) 落ち着いたテンポでルバートは少なめ、節回しは懐が深い。 和音の連打部分も深い音色を保ち気品があり格調の高さを保っていた。完成度の高い素晴らしい演奏。 エチュードOp.10-4:技術的に全く非の打ちどころなし、ミスタッチもなし、完璧な演奏。 エチュードOp.25-4:軽妙で音楽的にも純度が高く素晴らしい演奏。左手の低音で音抜けはミスタッチ多少あり。 マズルカOp.33-4:やや遅めのテンポで重厚なマズルカ。 スケルツォOp.39:オクターブ連続部はズシリと重みのある重厚な和音の連続。重戦車のようなスケルツォ。
B~C 6. Wang Liya(中国) ノクターンOp.62-1:節回しは動きが多い、こぶしをきかせるタイプ。 基本、良い演奏なのですが、好みが分かれそう。 個人的にはこの曲はルバート少なめの静謐でスマートで格調高い演奏が好みです。 エチュードOp.10-4:技術的に高い水準。ペダリング、アクセントや保持音などユニーク。 そういう版があるのでしょうか。 エチュードOp.25-4:遅めのテンポで確実性を重視。内声を強調するなどの工夫も。 マズルカOp.30-3:マズルカリズムが躍動していてダイナミック。良い演奏。 スケルツォOp.54:速めのテンポでかなり即興性の強く、聴く人を強烈にドライブするような 熱いパッションに満ちた演奏。こういう演奏を「うるさい」と感じる保守的な先生もかなり多そうで、 これも好みが分かれそうです。正直に言うと、個人的にはこういう演奏は苦手です・・・
C 7. Wang Quanlin(中国) マズルカOp.50-3:ごくオーソドックスで真面目なマズルカ。 エチュードOp.10-4:技術的な精度は非常に高い。ミスタッチほとんどなし、完璧。 エチュードOp.10-10:ロマンティックで流れも良いが、途中、脱線し、拍が脱落。 ノクターンOp.48-1:ルバート少なめ、流れが良い。中間部後半から最後に向けてのクライマックスは 慎重さを優先したと思われます。 スケルツォOp.39:ダイナミックで悪くないのですが、細部はやや粗い。
4月29日後半17時~21時(日本時間:4月30日(水)午前0時~4時)
B 8. Wang Ryan(カナダ) ノクターンOp.62-1:控えめなルバートでフレージングの「見通し」も良く非常に聴きやすい。 気品に満ちた格調高い演奏。 マズルカOp.59-3:爽快なテンポで前へ前へ弾き進めていく。やや固いかな、と思いましたが・・・ エチュードOp.10-10:テクニックは完璧、各声部のバランス、拍感もアーティキュレーションも非の打ちどころがない。 最初の方のかなり大きなミスが惜しまれます。 エチュードOp.10-5:軽快で爽快なとても良い演奏ですが、最後の最後で脱線して拍が脱落。惜しい・・・ スケルツォOp.39:オクターブ連続部は丁寧でありながら迫力十分。
9. Wang Yuhang(中国) エチュードOp.10-1:遅めのテンポで柔らかな感触、この曲のハーモニーの美しさが聴く人によく伝わる 音楽的な演奏。こういう演奏もいいですね。 エチュードOp.10-2:ソフトなタッチの大人しめの演奏。右手のミスタッチはない。 ノクターンOp.27-2:主部は弱音基調と言っても、これは音が弱すぎでは、という気がします。 ルバートは少なめが好みですが、少なすぎると、ただの「棒弾き」になってしまい、程度問題です。 個人的な感覚では、もっとデュナーミク、アゴーギクを大きく取ってほしかったです。 マズルカOp.56-1:8分音符の連続部分の右手の音抜けは、さすがに・・・と思ったら、 次の8分音符の連続部分で演奏停止。手が震えている・・・ 継続を断念し、立ち上がり一礼して退場。 会場は静まり返る・・・ しばしの沈黙の後、10分間の休憩に。 まるで悪夢を見ているようです。 コンクールには魔物が棲む・・・本当に怖いです。
10. Wang Zitong(中国)
11. Widlarz Jan(ポーランド)
12. Wong Kwan Chai (Enoch)(中立個人参加)
13. Wong Sze Yuen(中国)
14. Victoria Wong(United States of America/ Canada)
4月30日前半10時~14時(日本時間:4月30日(水)午後5時~9時)
1. Wu Maiqi(中国)
2. Wu Yifan(中国)
3. Wu Zihao(中国)
4. Xie Lingfei (Stephan)(中国)
5. Xin Kongyan(中国)
6. Yamagata Miki(山縣 美季、日本)
7. Yamazaki Ryota(山﨑 亮汰、日本)
4月30日後半17時~21時(日本時間:5月1日(木)午前0時~4時)
8. Viet Trung Nguyen(Vietnam/ Poland)
9. Yang Jiwon(韓国)
10. Yang Yuanfan(イギリス)
11. Yao Jialin(中国)
12. Ye Adria(アメリカ)
13. Ye ZiRui(中国)
14. Yeo Yoonji(韓国)
5月1日前半10時~14時(日本時間:5月1日(木)午後5時~9時)
1. Yoo Sung Ho(韓国)
2. Yoon Jeong Hyun(韓国)
3. Bartłomiej Kokot(Poland)
4. Yu Yichen(中国)
5. Yu Yuewen(中国)
6. Zenin Andrey(Individual neutral pianist)
7. Zhang Bo(中国)
5月1日後半17時~21時(日本時間:5月2日(金)午前0時~4時)
8. Zhang Jacky Xiaoyu(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)
9. Zhang Junzhe(中国)
10. Zhang Nathaniel(アメリカ)
11. Zhang Zhiqiao(中国)
12. Zhao Yuxuan(中国)
13. Zhong Yonghuan(中国)
14. Zhu Hanyuan(中国)
5月2日前半10時~14時(日本時間:5月2日(金)午後5時~9時)
1. Okui Shio(奥井 紫麻、日本)
2. Zhu Harmony(カナダ)
3. Zhu Jingting(中国)
4. Aćimović Vladimir(セルビア)
5. Amako Yuki(尼子 裕貴、日本)
6. Bao Yanyan(中国)
7. Basista Michał(ポーランド)
5月2日後半17時~21時(日本時間:5月3日(土)午前0時~4時)
8. Bourdoncle Nicolas(フランス)
9. Bürki Simon(スイス)
10. Candotti Michelle(イタリア)
11. Cen Zhiqian(中国)
12. Cha Junho(韓国)
13. Chang Kai-Min(台湾)
14. Chen Xuehong(中国)
15. Hyo Lee(韓国)
エチュード嬰ハ短調Op.10-4
5月3日前半10時~14時(日本時間:5月3日(土)午後5時~9時)
1. Chen Yanjun(中国)
2. Chen Yiyang(中国)
3. Chen Zixi(中国)
4. Cheong Hoi Leong(中国/ポルトガル)
5. Chitanava Mariam(ジョージア)
6. Cho Hyena(韓国)
7. Collard Raphaël(フランス)
5月3日後半17時~21時(日本時間:5月4日(日)午前0時~4時)
8. Cooper Diana(フランス/イギリス)
9. Deng Athena(カナダ)
10. Du Peida(中国)
11. Fan YuAng(中国)
12. Fang Zhongjin(中国)
13. Gao Yang(中国)
14. Gao Yang (Jack)(中国)
5月4日前半10時~14時(日本時間:5月4日(日)午後5時~9時)
1. Gi Inho(韓国)
2. Gong Shuguang(中国)
3. Guo Yiming(中国)
4. Hong Seokyoung(韓国)
5. Hsieh Wei-Ting(台湾)
6. Hu Xiaoyu(中国)
7. Ignatov Hasan(ブルガリア)
5月4日後半17時~21時(日本時間:5月5日(月)午前0時~4時)
8. Ignatov Ibrahim(ブルガリア)
9. Imai Riko(今井 理子、日本)
10. Inazumi Hina(稲積 陽菜、日本)
11. Ishida Seika(石田 成香、日本)
12. Iwai Asaki(岩井 亜咲、日本)
13. Ji Hyun-gyu(韓国)
14. Jin Zihan(中国)
予備予選日本人出場者一覧と主なコンクール歴
4/23(水)
4/24(木)
4/25(金)
4/26(土)
4/27(日)
4/29(火)
4/30(水)
5/2(金)
5/4(日)
予備予選(2025年4月23日~5月4日)
以下のa), b)からそれぞれ1曲ずつ
b)
※a), b)ともに難易度の幅が比較的広いですね。
以下の作品から1曲
※本格的なノクターンで歌心をみる目的。
以下の作品から1曲
以下のマズルカから1曲 ※エチュードa), b)は続けて演奏。それ以外の曲順は任意。
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