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ⅩⅧ KONKURS 18TH CHOPIN COMPETITON WARSAW
各予選・本選の記事
第18回ショパン国際ピアノコンクール・予備予選レビュー
第18回ショパン国際ピアノコンクール・第1次予選レビュー
第18回ショパン国際ピアノコンクール・第2次予選レビュー
第18回ショパン国際ピアノコンクール・第3次予選レビュー
第18回ショパン国際ピアノコンクール・本選レビュー
ショパンコンクール日程
第1次予選:10月3日~7日
第2次予選:10月9日~12日
第3次予選:10月14日~16日
ショパン命日・追悼ミサ:10月17日
本選:10月18日~20日
2021年第18回ショパン国際ピアノコンクール・第3次予選
ショパンコンクール第3次予選は、10月14日午後5時(ポーランド現地時間10月14日午前10時)から開始されます。
実況中継リンク
第3次予選:10月14日前半
第3次予選:10月14日後半
第3次予選:10月15日前半
第3次予選:10月15日後半
第3次予選:10月16日前半
第3次予選:10月16日後半 ← 今ここです
または下の埋め込み動画も直接見ることができます。
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実況中継のアドレスはその都度、変更されます。ホームページの更新が追い付かない場合もあると思いますが、
その場合には、下のリンクをクリックしてChopin InstituteのYou Tube公式チャンネルに行ってみてください。
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第3次予選出場者一覧
10月14日前半 10時~14時(日本時間:10月14日(木)午後5時~9時)
1. Mr Szymon Nehring, Poland
2. Mr Kamil Pacholec, Poland
3. Mr Hao Rao, China
4. Ms Miyu Shindo, Japan
10月14日後半 17時~21時(日本時間:10月15日(金)午前0時~4時)
5. Mr Kyohei Sorita, Japan
6. Mr Hayato Sumino, Japan
7. Mr Andrzej Wierciński, Poland
8. Mr Piotr Alexewicz, Poland
10月15日前半 10時~14時(日本時間:10月15日(金)午後5時~9時)
9. Ms Leonora Armellini, Italy
10. Mr J J Jun Li Bui, Canada
11. Ms Michelle Candotti, Italy
12. Ms Yasuko Furumi, Japan
10月15日後半 17時~21時(日本時間:10月16日(土)午前0時~4時)
13. Mr Alexander Gadjiev, Italy/Slovenia
14. Ms Avery Gagliano, U.S.A.
15. Mr Martin Garcia Garcia, Spain
16. Ms Eva Gevorgyan, Russia/Armenia
10月16日前半 10時~14時(日本時間:10月16日(土)午後5時~9時)
17. Mr Nikolay Khozyainov, Russia
18. Ms Su Yeon Kim, South Korea
19. Ms Aimi Kobayashi, Japan
20. Mr Mateusz Krzyżowski, Poland
10月16日後半 17時~21時(日本時間:10月17日(日)午前0時~4時)
21. Mr Jakub Kuszlik, Poland
22. Mr Hyuk Lee, South Korea
23. Mr Bruce (Xiaoyu) Liu, Canada
管理人的ランク・各コンテスタントの演奏に対する感想・コメント
各コンテスタントの演奏を、管理人的な好みに合うかどうか、好みに合わなくてもレベルが高いかどうかで、A,B,C,D,E,?でランク付けしました。
A:非常に素晴らしい・感動した
B:好ましい演奏だと思う
C:どちらとも言えない
D:やや不満
E:大いに不満
?:演奏を聴いていない
2次予選レビューのページでも述べたように、今回の審査結果には不可解な点や謎がありすぎます
(自国ポーランド人びいき、中国人差別、爆演・変わった演奏への評価が高い傾向)。
音色の魅力、ショパンらしい繊細さ、プロのピアニストとしての技術的水準などといった観点から聞いて
評価していくと、審査員の先生方の総意(=審査の最終結果)とことごとく一致しないという傾向が分かりましたし、
1次予選同様、2次予選も上位、下位ともにほぼ均等に通過させている印象があり、
僕から見ると、ステージが進むにつれて
レベルアップしているという印象がほとんどないのが何とも残念です。
10月14日前半 10時~14時(日本時間:10月14日(木)午後5時~9時)
D 1. Mr Szymon Nehring, Poland
スタインウエイ479を使用。
ノクターンOp.62-2は出だしの左のバスの2つ目のB音で隣のA音を弾いてしまうという、
いきなりすごいミスタッチがありました。かなり緊張していそうでした。
遅めのテンポでアーティキュレーションが平板で特に惹かれるものは感じませんでした。
スケルツォOp.54は細かいパッセージの音の不揃いと音抜けが目立ち、流れも停滞気味で、
3次予選としてはレベルが低いです。コーダ直前の和音の連続部で大事故が・・・全体的に精彩を欠いた演奏でした。
3つのマズルカOp.56:マズルカOp.56-1は溌溂としたリズムや輝きのない演奏に聴こえました。マズルカOp.56-2も
あまり抑揚のない演奏で正直物足りないと思いました。マズルカOp.56-3は、ゆっくりした流れですが、
起伏があまりなく平坦に聴こえました。
ピアノソナタOp.58:第1楽章は落ち着いていて比較的良い演奏でしたが、やはり技術的な弱さがどうしても
気になりました。第2楽章の主部(スケルツォ)は音の粒も比較的揃っていました。
第3楽章は、ロマンティックな楽章のはずですが、流れが停滞して惹かれるものがありませんでした。
第4楽章は壮大・大柄な演奏ですが、技術的な粗が目立つ大味な演奏と思いました。
C 2. Mr Kamil Pacholec, Poland
スタインウエイ479を使用。
序奏とロンドOp.16は、流れが自然で良い演奏だと思いました。ただ全体として弱音の時間帯が少なく、
強めの音で弾き通していてやや陰影や起伏に乏しい演奏に聴こえました(これは好みの問題かもしれませんが)。
4つのマズルカOp.30:マズルカOp.30-1は自然な抑揚をつけて憂鬱な雰囲気を醸し出していて美しい演奏でした。
マズルカOp.30-2はデュナーミクが自然で聴きやすい演奏でした。
マズルカOp.30-3はリズムもよく表現力に富んだ演奏だったと思います。
マズルカOp.30-4は自然で躍動するリズムとダイナミクスの幅があって良い演奏だったと思います。
ピアノソナタOp.58:第1楽章はオーソドックスで流れもよく美しい演奏だと思いましたが、
個人的にはもう少し抑揚を抑え気味の端正な演奏が好みです。
第2楽章は音の粒立ちがよく聴きやすい演奏でした。
第3楽章は抑揚が自然で流れもよく
第4楽章はダイナミックで良い演奏でしたが、強奏で音が濁るのと細部が粗いのが気になりました。
この曲は本当に難しい曲ですね。
B 3. Mr Hao Rao, China
スタインウエイ479を使用。
子守歌Op.57は遅めのテンポで比較的テンポを一定に保ち細かいパッセージの粒はきれいに揃っていました。
ピアノソナタOp.58:
第1楽章は丁寧で良いと思いましたが、1つ1つの音にニュアンスを付けようとして流れが停滞しているように
聴こえました。第2楽章の主部のスケルツォは音の粒立ちもよく丁寧な弾き方でよいと思いました。
第3楽章はルバートが自然で良い演奏でした。
第4楽章は技術的にも精度が高く完成度の高い演奏でしたが、全体としては決め手に欠ける印象です。
4つのマズルカOp.33:マズルカOp.33-1はそこはかとない詩情が感じられる美しい演奏でした。
マズルカOp.33-2はつかの間の夢のひとときという雰囲気。
マズルカOp.33-3は躍動感があり伸び伸びと演奏している姿が印象的でした。
マズルカOp.33-4はマズルカリズムよりも旋律美に重きを置いた演奏という印象で個人的には好きな演奏でした。
ポロネーズOp.53はダイナミックで技術的にも精度が高く良い演奏だったと思います。
C 4. Ms Miyu Shindo, Japan
スタインウエイ479を使用。
4つのマズルカOp.17:マズルカOp.17-1はハーモニーよりも旋律を重視しているようで、
独特のリズムや間の取り方がユニークな演奏でした。マズルカOp.17-2は間の取り方が独特で好みが分かれそうです。
マズルカOp.17-3はテンポをかなり動かして独創性のある演奏だったと思います。
マズルカOp.17-4は粘り気の強い独特の節回しの演奏でした。
マズルカ風ロンドOp.5は、マズルカリズムの取り方に強い個性があり、細かいパッセージも精妙に弾いていました。
ピアノソナタOp.58:第1楽章はダイナミクスは不足していますが、音が濁らず純度が高い演奏だったと思います。
第2楽章のスケルツォはレッジェーロのパッセージの粒が揃っていて、とても美しい演奏だと思いました。
第3楽章は静謐な中に壮大な世界観を感じさせる演奏。第4楽章はパワーで聴かせる男性陣の中にあって、
ダイナミクスでは聴き劣りしますが、細かいパッセージや音の純度は優れていたと思います。
ただ全体として右手の旋律が目立ち、その旋律の横の流れは良いと思うのですが、
ハーモニーを支える左手の音が弱いようで、和音のバランスは僕の耳に馴染みのないものでした。
10月14日後半 17時~21時(日本時間:10月15日(金)午前0時~4時)
B 5. Mr Kyohei Sorita, Japan
スタインウエイ479を使用。
3つのマズルカOp.56:マズルカOp.56-1は夢見るような音色で、幻想的な深い霧から徐々に楽想が立ち上がってくるような
雰囲気の出だしは惹かれるものを感じました。その後の展開はごく普通でした。マズルカOp.56-2はリズムが少し重い感じがしましたが好みの問題でしょうか。
マズルカOp.56-3は、とりとめのない分裂気味のモチーフを巧みに弾き分けて表情付けしながらうまくまとめ上げていました。
ピアノソナタOp.35:出だしはやや硬いかなと思ったのですが、徐々に緊張が解けてきたようでした。
提示部は繰り返し禁止ではないのですね(今更ですが今回のコンクールの規定が分からないです)。
しかも冒頭の序奏まで戻っての繰り返しは、エキエル版によるものでしょうか(不勉強ですみません)。
(僕が使っていたパデレフスキ版での繰り返しは序奏を除く第1主題からとなっています)
展開部はダイナミックですが、やや粗さがありました。緊張のせいでしょうか。
第2主題も主部はダイナミックで迫力がありました。緩徐部の主題の音量・音色のコントロールと
テンポルバートは十分に自然で魅力的でした。
第3楽章の主部は迫力があり、中間部の旋律のフレージングも良いと思いました(特に惹かれるものはないですが)。
第4楽章はユニゾンの粒の揃い方は可もなく不可もなくといったところ、ダイナミックに締めくくりました。
Boże, coś Polskę (harmonization of the old version of the song for piano), op. posth.(管理人コメント:この曲は未知の曲です):
コラール風の和音が続く静かな作品でした。
ポロネーズOp.53はダイナミックで勇ましい演奏で今日のこの人の演奏の中でこれが一番よかったと思います。
C 6. Mr Hayato Sumino, Japan
スタインウエイ300を使用。
4つのマズルカOp.24:マズルカOp.24-1はやや硬さがありましたが、この曲の憂鬱な雰囲気が出ていました。
マズルカOp.24-2は軽快でリズミカルなこの曲の特徴をよく出していました。
マズルカOp.24-3はこの作品特有のテンポの伸縮に乏しい気がしましたがすっきりした良い演奏だと思います。
マズルカOp.24-4は強弱やテンポの伸縮は良いと思いましたが、やや一本調子のように感じました。
ポロネーズOp.61は序奏はかなりあっさり目。音色や歌い方が直接的ですっきりしすぎているきらいがあり、
全体としてこの作品の幻想的な雰囲気は今一つ出ていないように感じられました。
コーダは迫力がありますが、配信音はやや攻撃的な音なのが気になりました。
ピアノソナタOp.35:第1楽章の第1次主題は技術的には良いのですが、せわしない感じがしました。
第2主題の歌わせ方は最低限のルールに則ったあっさりした弾き方で特に惹かれるものはありませんでした。
この人も冒頭に戻っての序奏からの繰り返しでした。展開部の盛り上がりは迫力がありますが、
音色が攻撃的になるのがやはり気になりました。今日はあまり調子が良くないのでしょうか。
第2楽章の主部はやはり強音が荒く攻撃的になるのが気になりました。
中間部のロマンティックの表現はやはりあっさり目で、欲を言えばもっと深い陰影と濃淡が欲しかったです
(素人のないものねだりとして聞き流して下さい)。
第3楽章は特に中間部を上手く弾くと心に迫る感動的な旋律になるのですが、
この人の演奏は無表情に近かったのが残念でした。
第4楽章のユニゾンは良い演奏だと思いました。
スケルツォOp.39は、オクターブの音量を抑えめにしていましたが、やはり攻撃的な音に聴こえました。
高音のキラキラとしたパッセージはきれいに粒が揃って美しい演奏でした。
C 7. Mr Andrzej Wierciński, Poland
スタインウエイ300を使用。
4つのマズルカOp.24:マズルカOp.24-1は柔らかな音色で濃淡と陰影を付けていて音楽性豊かな演奏でした。
マズルカOp.24-2は躍動するリズムの軽快な演奏。
マズルカOp.24-3はテンポの伸縮と抑揚が自然な演奏。
マズルカOp.24-4はこの作品の規範内で表現の振幅を大きく取った表現力の豊かな演奏。
スケルツォOp.54は、適度に切れ味もあり、音の粒も比較的揃っており、良い演奏だったと思います。
ピアノソナタOp.58:第1楽章は丁寧な音楽づくりを心掛けているようですが、テンポルバートは
やややりすぎではないかと個人的には思います。第2楽章の主部のスケルツォは音の粒の不揃いが気になりました。
第3楽章は節回しはオーソドックスですが、やや間延びしている印象でした。
第4楽章は強奏でも比較的音が濁らず純度の高さを保っていました。速いパッセージも
比較的粒立ちが良いのですが、ミスタッチの多さと粗さが多少気になりました。
C 8. Mr Piotr Alexewicz, Poland
スタインウエイ479を使用。
4つのマズルカOp.24:マズルカOp.24-1は自然なルバートと抑揚を付けて表情豊かな演奏でした。
マズルカOp.24-2はリズムが跳ねすぎず即興的な感興もあり良い演奏だと思いました。
マズルカOp.24-3は伸縮自在のリズムでこの作品の良さを自然に出していました。
マズルカOp.24-4はデュナーミクもアゴーギクも自然でこの作品のあるべき姿に近いと感じる演奏でした。
本日この作品を弾いた多くのピアニストの中でこの演奏が最も優れていると感じました。
24の前奏曲Op.28:第1番は自然な抑揚を付けた演奏。第2番は標準テンポのオーソドックスな演奏。
第3番は左手のパッセージが軽快で良い、と思ったら惜しいミスタッチの連鎖がありました。
第4番は物悲しい旋律を適切なルバートと音量で聴かせる良い演奏でした。
第5番は良い演奏ですが、もう少し軽快さが欲しい気がしました。
第6番は憂鬱な雰囲気がよく出ていました。
第7番はバスの音のドキッとするミスタッチがありました。簡素な響きが美しい演奏でした。
第8番は旋律以外の音はもう少し目立たないように粒を揃えてレガートで弾いてほしかったです(それが難しいのですが)。
第9番はごく普通のテンポの演奏。
第10番は右手のパッセージがもう少し軽やかな演奏が理想です。
第11番は短い「詩」を感じさせるこの作品の魅力をそのまま伝える良い演奏でした。
第12番は右手の連打音の中にドキッとするミスタッチがいくつかありました。概ね良い演奏でしたが・・・
第13番は適切なルバートをかけて旋律とハーモニーを歌わせていて良い演奏でした。
第14番はユニゾンに抑揚を付けて弾いていて表現の工夫が感じられました。
第15番は自然なルバート、美しい旋律とハーモニーの良い演奏ですが、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。
第16番は技術的に特に難しい曲で中ほどにやや大きなミスタッチがありましたが、概ね良い演奏でした。
第17番は音楽性豊かな美しい演奏でした。
第18番はユニゾンも技術的に素晴らしく完成度の高い演奏でした。
第19番は技術的に難しい曲ですが、ほとんど淀みなく音楽的に演奏できていました。
第20番は和音の鳴らし方もよく、厳かな雰囲気も十分出ていたと思います。
第21番はテンポルバートもデュナーミクも自然で音楽的で良い演奏でした。
第22番は強奏でも鍵盤を叩かず良い音が出ていました。
第23番はさらさらと高音が自然に流れていました。
第24番は最後を締めくくる難曲。ところどころ大事な音を外してしまっていて、
また上昇音階や3度下降の音の粒の不揃いが目立ちました。やはりこの人は難曲になると技術的な弱さが露呈するようです。
この人は全体として2次予選よりも演奏内容が良さそうですが、正直に言うと3次予選レベルではないと思いました。
やはり予想していた通り、3次予選のレベルは低そうです。明日以降に期待したいと思います(と言っても
期待できそうな人があまりいないのが残念なのですが・・・)。
10月15日前半 10時~14時(日本時間:10月15日(金)午後5時~9時)
C 9. Ms Leonora Armellini, Italy
ファツィオリを使用。
ポロネーズOp.61は、この作品の個々のモチーフを自然な表情付けで描き分けており、
幻想的な雰囲気も自然に表出していて、良い演奏だったと思います。
4つのマズルカOp.41:マズルカOp.41-1はテンポの自然な伸縮で憂鬱な雰囲気がよく出ていたと思います。
マズルカOp.41-2は、調性の変化に呼応して音色も変化させており、表現力豊かな演奏でした。
マズルカOp.41-3は、抑揚が自然で良い演奏だったと思います。
マズルカOp.41-4は、主部のダイナミックな部分と中間部のロマンティックな旋律とハーモニー、
いずれも美しくロマンティックで、聴かせどころを心得た素晴らしい演奏だったと思います。
ピアノソナタOp.35:第1楽章の主部はかなりテンポを動かしていて技術的コントロールよりも
情熱的表現に重きを置いた演奏。冒頭(序奏)から提示部を繰り返し。
第2主題は動きが過剰のような気がしました。フレージングの息が短いのは
女性奏者に多い傾向があると思います。技術やテンポの正確なコントロールはやや難あり。
第2楽章の主部は勢いを重視した演奏。中間部の旋律部は細かくテンポを動かしていますが、
僕はもっと落ち着いてしっとりと歌わせる弾き方が好みです。
第3楽章の主部のデュナーミク(強弱)は強奏部分を弱音にするなど工夫が見られますが、
そのような指示がある版があるのかはよく分かりません。中間部は落ち着いて旋律を歌わせていました。
第4楽章は精度に難があり、あまり好きではありませんでした。
A~B 10. Mr J J Jun Li Bui, Canada
シゲル・カワイを使用。芯のしっかりしたシャープな音色。
バラードOp.38は主部は和音のバランスも流れもよく自然で良い演奏でした。
コン・フォーコとコーダのアジタートは多少のミスや音抜け・不揃いはありますが、
ダイナミックで技術的完成度も高く、素晴らしい演奏だったと思います。
4つのマズルカOp.24:マズルカOp.24-1は、遅めのテンポで音とその間を大切にした内省的な趣の演奏。
ただそのために流れが停滞しているように感じました。
マズルカOp.24-2は、この作品特有のリズムの面白さが自然に出ていたと思います。
マズルカOp.24-3は、テンポを自然に伸縮させていて良い演奏だったと思います。
マズルカOp.24-4は、強弱、テンポの伸縮は自然で、この作品の規範に則った良い演奏だったと思います。
マズルカ風ロンドOp.5は、リズムの歯切れも良く、美しい旋律と細かいパッセージの粒が
光り輝く素晴らしい演奏でした。
ピアノソナタOp.58:第1楽章は旋律もハーモニーも美しく、自然に流れていく、
センスがよくすっきりとした完成度の高い素晴らしい演奏でした。
第2楽章のスケルツォは粒がきれいに揃った完成度の高い演奏でした。
第3楽章は流れがさりげなく自然で、音色に魅力があるため、最後まで飽きることなく聴けました
(主部の再現部の左手の音型が崩れてミスタッチの連鎖があり、一瞬ドキッとしましたが)。
第4楽章はダイナミックで迫力があり、技術的完成度もトップクラスでした。
目下のところ、3次予選の中では、この人がトップと思われます。
この人の演奏は3次予選のレベルの低さに失望中だった僕に希望の光を与えてくれました。
これまでの審査では、このレベルの光る演奏をする人をあえて落とす傾向があるようですが、
この人がそうならないことを祈ります。
D 11. Ms Michelle Candotti, Italy
スタインウエイ479を使用。
バラードOp.38は主部は自然な流れで良いと思います。コン・フォーコ、アジタートは
切れ味が良くないですが、破綻なく弾けていました。
スケルツォOp.31は、自然で良い演奏だと思いますが、難所や速いパッセージで音が不明瞭で
不揃いになってしまい、技術的な弱さが出てしまったのが残念でした。
3つのマズルカOp.59:マズルカOp.59-1は大人しくて真面目な演奏ですが特に惹かれるものはありませんでした。
マズルカOp.59-2は、テンポルバートは控えめで同様のおとなしく真面目な演奏でした。
マズルカOp.59-3も同様の傾向の演奏で正直物足りないと思いました。
ピアノソナタOp.35:第1楽章はオーソドックスな演奏ですが、節回しの魅力や音の粒立ち、切れ味は
いずれも今一つで決め手に欠ける印象でした。
第2楽章は主部も同様の傾向の演奏でした。中間部の旋律はテンポルバートも妥当ですが特に惹かれるものは
ありませんでした。
第3楽章は普通の演奏で特に惹かれる部分はありませんでした。中間部の節回しも抑揚に乏しく、
正直途中で聴き飽きてしまいました。
第4楽章はやや精度の粗い演奏だったと思いました。
B 12. Ms Yasuko Furumi, Japan
スタインウエイ479を使用。
序奏とロンドOp.16は、淀みのない美しく自然な流れ、技術的にも音の粒が揃い、表現力に富んだ素晴らしい演奏です。
前回2次予選のポロネーズ5番に続いて感動的な演奏でした。
3つのマズルカOp.59:マズルカOp.59-1は弱音のコントロールが効いていて、清楚で美しい演奏でした。
強音でも和音のバランスがしっかり整えられていました。
マズルカOp.59-2はリズムの取り方が几帳面で真面目な演奏。詩情豊かで良い演奏でした。
マズルカOp.59-3はマズルカリズムは控えめで美音と美しいハーモニー、旋律美を意識した良い演奏だったと思います。
全体として「優秀な日本人ピアニストのマズルカ演奏」という印象でした。
ピアノソナタOp.58:第1楽章は強奏でも和音のバランスがよくカンタービレの旋律のフレージングも
抑揚が自然で表情豊かで良いと思いました。ところどころ惜しいミスタッチがあり音の不揃いもありますが、
総じてレベルは高いと思います。
第2楽章の主部のスケルツォは音量をセーブしていて他のコンテスタントと差別化を図ろうという意識が
感じられましたが、疲れ・スタミナ切れなのか、音の粒立ちはやや粗くなっていました。
第3楽章は自然な節回しで美しく演奏していましたが、やや間延びして聴こえました。
この楽章を退屈させないで最後まで聴かせるのは本当に難しいですね。
第4楽章はところどころ大きなミスタッチがありましたがダイナミックで良い演奏でした。
最初の序奏とロンドが素晴らしく、そのレベルを維持できればよかったのですが、
全体として良い演奏だったと思います。
10月15日後半 17時~21時(日本時間:10月16日(土)午前0時~4時)
C 13. Mr Alexander Gadjiev, Italy/Slovenia
シゲル・カワイを使用。
ポロネーズOp.61は、各楽想、モチーフを適度にデフォルメし魅力的な表情付けをしていますが、
ややこぶしを利かせすぎのように感じました。難所になると崩れる傾向がありました。
3つのマズルカOp.56:マズルカOp.56-1の主部の柔らかな表現は詩的で美しいのですが、
例の8分音符の連続部では時々「あれ?」と思うようなミスタッチがありヒヤッとさせられたり、
そもそも音の粒立ちが良くないです。
マズルカOp.56-2はリズムが重く不自然だと思いました。
マズルカOp.56-3はかなりテンポを大きく動かし聴き手を強烈にドライブしていくような演奏で
僕自身は正直苦手です。幻想的な風景が見えてくるような静かで品の良い演奏が好みですから・・・
ピアノソナタOp.35:第1楽章はデュナーミク、アゴーギクともにバランスが崩れる寸前まで動かし、
ダイナミックで大胆に表現していますが、さすがにこれはやりすぎだと思います。
もはやショパンの音楽ではないと僕自身は思います(とは言っても、この人はこれでここまで
勝ち残ってきたわけですから、これが良いと思う審査員も多いということでしょうけど)。
第2楽章の主部はアグレッシブでさすがに荒っぽすぎると思います。
中間部の旋律とハーモニーは好きな部分の1つですが、この人の演奏はルバートをかけすぎ、
こぶしを利かせすぎで、この部分の本来の良さが失われているように感じます。
第3楽章はこの人にしてはテンポの動きを抑えた普通の演奏でした。
第4楽章は抑揚を付けすぎではないでしょうか。本来はそのような作品ではないはずなのですが。
審査員の顔ぶれを見ると、伝統的なショパン演奏を好む保守的なピアニストが多そうな印象ですが、
実際はそうではないのでしょうか。
B 14. Ms Avery Gagliano, U.S.A.
スタインウエイ300を使用。今日も音が曇っているようでこのピアノの鳴りは今一つのようです。
ピアノソナタOp.35:第1楽章は楽譜の指示を守りながら、その中で振幅を大きく付けることで、
表現力豊かな演奏を実現しているという印象でした。音が曇っているので、音の輝きが欲しいところで
今一つの印象となっていますが、技術的レベルは高く隙の少ない良い演奏だと思いました。
第2楽章の主部は丁寧で必要なダイナミクスもあり良いと思いました。
中間部の緩徐部は自然な流れがありロマンティックで良いのですが、やはり音が曇っているのが
かなり大きなマイナスです。
第3楽章は大人しい普通の演奏ですが、中間部の旋律とハーモニーにはもう少し変化が欲しいと思いました。
第4楽章のユニゾンは適度に抑揚を付けていて聴きやすい演奏でした。
3つのマズルカOp.56:マズルカOp.56-1は主部は幻想的な雰囲気が出ていました。
8分音符の連続部は特に音の粒立ちの良さや輝きがあるわけでもなくごく普通の演奏でした。
マズルカOp.56-2は普通の演奏ですが、やや重いかもしれません。
マズルカOp.56-3は自然な抑揚を付けていて良い演奏ですが、音色が曇っているのであまり魅力的には
響かないのが残念でした。
スケルツォOp.31は、オーソドックスで美しく完成度の高い演奏でした。ピアノの音が曇っているからか、
色彩感に乏しいのが何とも残念でした。最後の左手の音が他の音に触って濁ってしまったのが残念でした。
この人は1次予選がことのほか素晴らしく、注目していたところ2次予選はピアノの鳴りが悪く
予選敗退の危機と考えていたのですが、ここまで来ました。この3次予選もピアノの鳴りが悪いようで、
1次予選の時のような好印象からは程遠い印象です。
それでも正統派でミスタッチが少なく十分に上質な演奏ですし、3次予選のレベルを考えると上位ではあると思います。
ここで、あまりに素晴らしい演奏をしてしまうと、審査員達からは、
優勝争いに絡んできそうな新たな「脅威」と認識されてしまう
可能性があるため、この辺りが安泰かもしれません。
管理人コメント~「出る杭は打たれる」
今回のショパンコンクールの1次予選、2次予選の審査結果を振り返ってみると、
僕自身が最上位通過だろうと思ったピアニストが何故かことごとく敗退しています。
僕の耳が悪いのかもしれませんが、こうして3次予選に残ったコンテスタントのレベルの低さを考えると、
やはり審査員が何らかの意図をもって、最上位のピアニストをあえて敗退させているように思えてなりません。
何がそうさせるのかは皆さん各自で想像して下さい。
いずれにしても、コンテスタントは「出る杭は打たれる」を肝に銘じて、
素晴らしすぎない程よい演奏を心がけることが、本選進出に向けての戦略になると思います。
ここからこの流れを変えることはできないものでしょうか。
C 15. Mr Martin Garcia Garcia, Spain
ファツィオリを使用。
プレリュードOp.28-17は詩情豊かでロマンティックな良い演奏でした。口ずさみながら楽しそうに弾いていました。
プレリュードOp.28-19は速めのテンポで旋律を巧みに歌わせていてロマンティックな演奏でした。
プレリュードOp.28-23は逆に遅めのテンポで右手の1つ1つの音が光り輝いていました。
ピアノソナタOp.58:第1楽章はかなり自由にテンポを動かして生き生きと演奏していました。
技術的には色々粗が多く2回登場する4度和音の下降はどちらも弾けておらず、
個人的にはこういう粗が多い演奏は好きではないのですが・・・
第2楽章の主部のスケルツォは音の粒立ちが良くないのが気になりました。
第3楽章は何故か最後まで退屈しないで聴けました。これもこの人の才能でしょうか。
第4楽章は速いパッセージの粒は意外に揃っていました。
3つのマズルカOp.50:マズルカOp.50-1は音楽がまるで生き物のように躍動していました。
マズルカOp.50-2は躍動するリズムと生き生きとした旋律とハーモニー、とても魅力的なマズルカでした。
マズルカOp.50-3、この哀愁漂うマズルカもこの人の手にかかるととても賑やかで愉快なマズルカとなり、
これはこれで面白いと思いました。
プレリュードOp.45は速めのテンポで流れがよく旋律、ハーモニーがとにかく美しい、
この曲ではなかなか聴けないレベルの名演でした。
ワルツOp.34-3は軽快で何とも楽しげに弾いていて、こちらまで元気をもらえる演奏でした。
音の粒が揃っていないなど、そんなことはお構いなしです。
天性のキャラクター(役者性)、旋律の歌わせ方など良いものは持っていて、特にマズルカとの相性はものすごく
良さそうですが、技術的に粗が多く基礎技術がないのが残念です。捨てがたい存在ではあると思いますが・・・
B~C 16. Ms Eva Gevorgyan, Russia/Armenia
スタインウエイ479を使用。
幻想曲Op.49は情熱的・ダイナミックで節回しも自然で技術的レベルも高い素晴らしい演奏でした。
4つのマズルカOp.17:マズルカOp.17-1の主部のリズムと間の取り方に特徴がありました。
マズルカOp.17-2は間の取り方や抑揚にオリジナリティを感じました。
マズルカOp.17-3は感興豊かで自然な抑揚があり良い演奏だったと思います。
マズルカOp.17-4は陰影と濃淡を付けて陰鬱な雰囲気が出ていました。
ピアノソナタOp.35:第1楽章の第1主題は技術的に素晴らしく切れ味もあり良い演奏。
第2主題は自然な節回しで美しい旋律が生き生きと流れていました。中間部後半の和音連続も
ダイナミックで迫力があり完成度も高い演奏でした。
第2楽章の主部はダイナミックで切れ味もよく良い演奏でした。
中間部の緩徐部は表現力がありますが、個人的にはややこなれていない感じがしました。
第3楽章の主部はシャープで引き締まったダイナミックな葬送行進曲でした。
中間部は硬質な美音でセンス良く歌わせていて聴かせどころを心得た演奏でした。
第4楽章は抑揚と起伏を付けて余裕をもって演奏していました。
管理人コメント
3次予選2日目が終了しました。そろそろ通過予想、優勝予想、ポロネーズ賞、マズルカ賞、ソナタ賞の候補を、
と待ち望んでいる方からのメールを複数いただきましたが、正直、今回に関しては予想は不可能です。
というのも、1次予選、2次予選の審査結果に対する管理人のコメントでも述べたように、
今回の審査結果はまさに「カオス」だからです。言い換えれば、
必ずしも上位だからといって通過するとは限らず、下位だからといって敗退するとは限らない からです。
国籍差別、何らかの意図的操作が加わっていて、純粋な演奏の優劣で判定しているわけではなさそうです。
このような状況で、本選に進出するピアニストの予想などできるはずがありませんし、
そもそも予想することすら馬鹿げています。
将来が楽しみで優勝に値する才能のほとんどは既に敗退してしまっていて、
既にこの3次予選は僕にとって見どころの少ない、非常に退屈なものとなってしまいました。
まさしく「消化試合」です。
これまで3次予選で16人の演奏を聴いてきましたが、
残念ながら入賞に値するコンテスタントはほとんどいなかったように思います。
少し本音を言ってしまうと、今回のショパンコンクールは僕たちショパン愛好者をバカにしているのかと、
正直憤りを感じますし、怒りを通り越して、あきれてしまいます。
いや僕たちショパン愛好者は外野から気楽に演奏を聴いて楽しんでいるだけですから、まだよいのですが、
問題はコンテスタント及びその関係者の皆様です。
各コンテスタントはこの時のために、まさに血のにじむような練習を重ねてきたでしょうし、
この大舞台で極度の緊張の中、その成果を全力で披露してくれているわけです。
本来であれば、その努力、思いに敬意を表して、年齢、性別、人種、国籍で差別せず(年齢補正は許されるとしても)、
正しく公平に評価すべきであるはずですが、
今回のショパンコンクールは、どういうわけか、そのコンテスタントの努力、真摯な思いを
無視あるいは軽視しているとしか思えないようなありさまであり、何とも残念であり、また腹立たしい限りです。
この状況、何とかならないものでしょうか。
今回の1次予選、2次予選の審査結果を見る限り、ショパンコンクール審査側・運営側で、
大きな混乱が起こっているとしか考えられないのですが、内部事情をご存じの方はいらっしゃるでしょうか。
とは言っても、今日の3次予選3日目は、僕が注目している韓国のSu Yeon Kimさん と
カナダのBruce Liuさん が登場します。1次予選、2次予選の演奏を聴く限り、
3次予選進出者23人の中で、優勝に値するのはこの2人だけではないかと個人的には思っています
(これは予想ではなく消去法で選んだ結果です。演奏レベル的にはここにJakub Kuszlikさん を
加えるべきですが、この人はポーランド人で特別扱いされそうなため、あえて外しました)。
このように書くと、この2人が新たな「脅威」と認識されて、敗退させられそうで怖いのですが・・・
この2人が無事本選進出することを祈ります。
今日の3次予選最終日の演奏は、少し楽しんで聴くことができそうです。
10月16日前半 10時~14時(日本時間:10月16日(土)午後5時~9時)
D~E 17. Mr Nikolay Khozyainov, Russia
スタインウエイ479を使用。
ノクターンOp.48-1:主部の単音の旋律部はインテンポに近くあっさり弾いていました。
後半もあまりテンポを動かさずにひたすら前に進んでいく演奏で、和音の連続部は
力強く重くショパンよりもベートーヴェン的とさえ言えるのではないかと思いました。
3つのマズルカOp.59:マズルカOp.59-1は主部の入りは必要以上のルバートはせず淡々と流していて、
面白みはありませんが、全体として品が漂う演奏でした。
マズルカOp.59-2は、ペダルはあっさり目でマズルカ特有のテンポの伸縮がほとんどない演奏でした。
マズルカOp.59-3も同様の傾向であまり面白みやロマンが感じられない演奏でした。
プレリュードOp.45もテンポは大きく動かさずモノクロームで重々しく暗い演奏でした。
ピアノソナタOp.58:第1楽章はやはりルバートが少なめで遅めで重い演奏に聴こえました。
異質な演奏に聴こえますが、このような演奏は「あり」なのでしょうか。
第2楽章は遅めで重い感じのスケルツォが印象的でした。
第3楽章は流れが停滞して淀んでいるように聴こえました。聴き飽きたと思ったら、
中間部最後の最後で左手の暗譜が飛びかけて、そこでこちらが覚醒しました。
第4楽章も、やはりテンポが遅くて重い演奏で僕には良さが理解できませんでした。
1次予選と2次予選と同様の傾向の演奏で、ここまで勝ち残ってきたということは、
こういう演奏がここでも審査員に支持されるということでしょうか。全く理解できませんが・・・
コンクールに過度の温情を持ち込むことは他のコンテスタントや視聴者に良くないことだと思うのですが・・・
A~B 18. Ms Su Yeon Kim, South Korea
スタインウエイ479を使用。
幻想曲Op.49は、清純で流れに淀みがなく全てが自然、迫力・情熱もありますが、
強奏でも和音のバランスが崩れず、非常に素晴らしい演奏でした。
4つのマズルカOp.24:マズルカOp.24-1はテンポの伸縮がとても自然で、全ての音を細かくコントロールしていて、
それがストレートに耳に入ってくる良い演奏でした。
マズルカOp.24-2は、リズムの面白さより美しさが際立つ真面目な演奏でした。
マズルカOp.24-3は、流れが自然で美しい演奏でした。
マズルカOp.24-4は、テンポの伸縮・ルバート、ダイナミクスが、
全てが自然な流れの中に収まっており、バランスの良い演奏でした。
タランテラOp.43は、普通のテンポの適度に軽快で適度にダイナミックな演奏。
この曲をここで選曲した意図はよく分かりませんでした。
ピアノソナタOp.58:第1楽章は全ての楽想が自然で技術的にも水準の高い良い演奏だったと思います。
第2楽章のスケルツォは右手の音の粒は揃って軽妙でした。
第3楽章は清楚で流れに淀みがなく聴きやすい演奏でした。
第4楽章は情熱的でダイナミクスも十分であり、技術的にも完成度が高く素晴らしい演奏でした。
全体としてとても清楚で流れが自然で完成度の高い演奏で、今までのところ、この方向で
これを上回る演奏はないと思いますが、今日はやや不調なのか、ミスタッチが多く、前回1次予選、2次予選ほどの
インパクトはなく決め手に欠ける印象でした。
B~C 19. Ms Aimi Kobayashi, Japan
スタインウエイ479を使用。
4つのマズルカOp.30:マズルカOp.30-1は全ての音に細かい配慮が感じられ、深い陰影がついた良い演奏でした。
マズルカOp.30-2は、深い部分まで音を感じながら演奏している様が伝わってくる良い演奏でした。
マズルカOp.30-3は、アゴーギク、デュナーミクいずれも広く取り、主張が強い演奏でした。
マズルカOp.30-4は、細かいトリルや装飾音を美しく響かせながら、一方で大胆な箇所もあり、
スケールが大きく表現力に富む演奏でした。ただ背伸びをしている感じがするのが気になりました。
24の前奏曲Op.28:第1番は起伏を大きく取っていました。第2番はごく普通の演奏。
第3番は左手のパッセージはレガートで粒が揃っていました。音楽的にも自然で良い演奏だと思います。
第4番は憂鬱な雰囲気が良くてていたと思います。
第5番はやや重いと感じました。もっと軽妙な演奏が好みです。
第6番は憂鬱な雰囲気が出ていましたが、起伏は大きく、その部分はやややりすぎかな、とも思いました。
第7番は遅めのテンポの静かな普通の演奏。
第8番は技術的にも良い演奏で振幅も大きく表現力に富む演奏でした。
第9番はかなり大胆な表現。もっとあっさりした演奏が好みです。
第10番はあっさり目で良い演奏だと思います。
第11番は、ややもって回ったような節回しが気になりました。もっとあっさりとした「詩」を感じる演奏が好みです。
第12番は、ダイナミックで良い演奏だと思います。
第13番は、流れが停滞しているように感じました。もっと流れの良い演奏が好みです。
第14番のユニゾンは波のうねりを思わせる様子が伝わってくる演奏でした。
第15番は流れが停滞して間延びしているように感じました。やや重いでしょうか。
第16番はダイナミックで迫力があり良い演奏だと思います。
第17番は節回しが恣意的に感じられました。もっとあっさり目の自然な演奏が好みです。
第18番は大柄で、テンポを大きく動かしていました。
第19番は流れが美しいですが技術的にやや苦しそうでした。
第20番は荘厳な感じが出ていて良い演奏だと思いました。
第21番は比較的流れもよくダイナミクスもあり良い演奏だと思いました。
第22番はかなり力みがあるように感じられましたが悪くはないと思います。
第23番は流れが自然で良い演奏だと思いました。
第24番は壮大・大柄でスケールの大きい演奏、技術的にも音階、アルペジオ、3度和音の半音階下降など
素晴らしかったと思います。
全体として24の前奏曲は、やりたいことを詰め込みすぎのような気がします。
もっとあっさり自然に流れていく24の前奏曲の方が魅力的で聴きやすいと思うのですが・・・
D~E 20. Mr Mateusz Krzyżowski, Poland
スタインウエイ479を使用。
3つのマズルカOp.56:マズルカOp.56-1は柔らかい出だしは良いと思いました。
8分音符の連続する部分はややもたついているようでミスタッチも多発していました。
マズルカOp.56-2は、この曲にしては重く、もたついていると思いました。
マズルカOp.56-3は、自然で素朴な感じの演奏で好感が持てました。
24の前奏曲Op.28:
第1番は自然な抑揚が耳に心地よい演奏でした。
第2番はやや遅めで重いかなと思いました。
第3番は左手のアルペジオも右手の旋律も自然で美しくさらさら流れていく様が耳に心地よい演奏でした。
第4番は憂鬱な雰囲気、ダイナミクスの幅もあり聴かせる演奏でした。
第5番はテンポがやや不自然になる箇所がありました。技術的に余裕がなさそうでした。
第6番は遅いテンポで流れがやや悪いように感じました。
第7番はあっさりした普通の演奏。
第8番は内声部の音量がセーブできていないようで技術的に粗が多い演奏でした。
第9番は予想外に重厚でした。
第10番はあっさりした爽やかな演奏でした。
第11番は、ややもっさり感がある重い演奏でした。
第12番はリズムが重いのと難所でテンポが不自然に落ちるのが気になりました。
第13番は流れが停滞していると思いました。
第14番のユニゾンは重厚さを意識するにしても重すぎると思いました。
第15番は流れが停滞していて重く感じるのと、リズムや音価が不自然に動くのが気になりました。
第16番は大事故につながりかねない大きなミスタッチが数か所あり、怖い思いをしました。
かなり大きな音抜けもあり技術的には弾けていない演奏でした。
第17番も同様にテンポが遅く流れが悪いと思います。
第18番はダイナミックで重厚な演奏でした。
第19番は技術的に苦しいようで流れが不自然でした。
第20番はダイナミックで重厚。
第21番は流れが停滞して止まりそうで危なっかしい演奏でした。
第22番はダイナミックですが強音が濁っていて雑なのが気になりました。
第23番は音色と音価のコントロールが今一つでした。
第24番は重い演奏でした。技術的に難あり、残念です。
10月16日後半 17時~21時(日本時間:10月17日(日)午前0時~4時)
A~B 21. Mr Jakub Kuszlik, Poland
スタインウエイ479を使用。
幻想曲Op.49は、コクのあるまろやかな音色で強奏になっても和音が全く崩れず、フレージングも板についた自然さで聴き心地抜群。
4つのマズルカOp.30:マズルカOp.30-1は陰影に富みながら温もりもある何とも不思議な感覚の味わい深い演奏。
マズルカOp.30-2は自然な流れで全ての音があるべき場所にあると感じさせる演奏だと思いました。
マズルカOp.30-3は自然な抑揚があり聴き心地のよい演奏でした。
マズルカOp.30-4は必要なテンポルバートとダイナミクスの幅がありますが、控えめながらも聴かせどころを
心得た全てが自然な演奏でした。
ピアノソナタOp.58:第1楽章は流れが自然で安定しており、詩情と味わい深さもあると思いました。
音色は違いますが、ポリーニの名演を思い出させるものがあると思いました。
ところどころミスタッチがあり、また再現部の第2主題が終わった後の左手の伴奏音型で暗譜が飛びかけて
一瞬ヒヤッとしましたが、ここは減点対象でしょうか。
第2楽章のスケルツォは音の粒は揃っていました。
第3楽章は全てコクのある優しい暖色系の音色で、音色のバラエティーが少ないからか、やや長く感じられました。
第4楽章はテンポが安定しリズムの取り方も自然で、音の粒立ちも抜群、完成度の高い素晴らしい演奏でした。
ショパンコンクール予選でここまで傷の少ない第4楽章は滅多に聴けないです。
全体として高度な技術に支えられた上質で安定した演奏でした。
C 22. Mr Hyuk Lee, South Korea
シゲル・カワイを使用。今日はこのピアノの鳴りは良さそうです(1次予選、2次予選のときは
ピアノの音が曇って詰まっていて、この人が可哀そうでした)。
ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ(ドン・ジョバンニ)の主題による変奏曲Op.2:
前奏者と比べると音色がクリアで輝いています。素晴らしい演奏技巧を駆使して、
各変奏の特徴を上手く弾き分けていて見事でした。このような華やかな曲で持ち味を発揮するタイプですね。
4つのマズルカOp.17:マズルカOp.17-1はリズムが躍動し生き生きとした演奏でした。
マズルカOp.17-2は動きの大きい演奏。もう少ししっとりとした内省的な演奏が好みなのですが・・・
マズルカOp.17-3は表情豊かでテンポルバートも自然で良い演奏だったと思います。
マズルカOp.17-4は陰影と濃淡を付けてこの作品の憂鬱な情緒を上手く出していたと思います。
ただ全曲を通してリズムや音価が不安定なのが聴いていて気になりました。
この人はこういうゆっくりした曲よりも華やかな曲の方が持ち味を発揮するタイプのようです。
ピアノソナタOp.58:第1楽章は基本的には良い演奏だと思いましたが、速い部分を安易に弾き飛ばす傾向や、
強奏になると音が金属的でアグレッシブになるのと技術的な粗が出るのが気になりました。
もう少し注意力があるともっと良い演奏になりそうなのに、もったいないと思いました。
第2楽章のスケルツォは音の粒は揃っていました。
第3楽章は表現自体は自然で魅力的だと思いますが、全曲を通して終始、音価が不安定で印象を下げている気がします。
第4楽章は技術的には完成度は高いと思いますが、強奏で音色が金属的で荒っぽくなるのが印象を悪くしている
ようでした。ショパンの作品の華やかさとは異質な印象を受けました。
B 23. Mr Bruce (Xiaoyu) Liu, Canada
ファツィオリを使用。芯のあるシャープな音色。
4つのマズルカOp.33:マズルカOp.33-1は速めのテンポであっさりと詩情を表現していました。
マズルカOp.33-2は束の間の夢のひとときを軽めのタッチで表現していました。
マズルカOp.33-3は軽快でリズミカルで歯切れの良い演奏でした。
マズルカOp.33-4は美しい詩情をあっさり目に表現。ダイナミクスも十分でリズム感も良く響きのバランスも
すっきり整えられた完成度の高い演奏でした。
ピアノソナタOp.35:第1楽章の提示部・第1主題は切れ味が鋭く、第2主題は節回しも盛り上げ方も理想的ですが、
自然な感情の発露というよりも人工的な印象の方が強いです。
響きのバランスも整えられていました。冒頭(序奏)からの繰り返しあり。
展開部は鋭い打鍵によるダイナミズムが魅力でしたが、やや粗いとも思いました。
第2楽章はきびきびとした音運びで、主部は音を細かく切るところがやや作為的に感じましたが許容範囲内でしょうか。
中間部の旋律部の節回しは悪くはないのですが、やや恣意的でオーバーアクションのようにも感じました。
第3楽章の主部の葬送行進曲は和音の打鍵が鋭すぎる印象がありました。
中間部の天国の歌は甘美さとは対極にある辛口で硬派の節回しという印象でした。
第4楽章のユニゾンは軽妙で粒の揃い方も尋常ではなく、こういうものを弾かせるとこの人はピカイチというのが
分かります。
ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ(ドン・ジョバンニ)の主題による変奏曲Op.2:
前奏者と比較するとダイナミクスの幅をフルに活用して陰影を付けて魅力的な作品として聴かせる手腕は
明らかにこの人の方が上と思います。
全体としてショパンらしさという点では明らかに異質な演奏で、今日はやや不調なのか、1次予選や2次予選のような
出来ではないと思いますが、切れ味抜群のユニークな演奏であることや
全体のレベルの低さを考えると、この人は本選進出させるべき人だと思います。
3次予選通過者一覧
引用:we-know-the-names-of-12-finalists-of-the-18th-chopin-competition-
1. Ms Leonora Armellini, Italy
2. Mr J J Jun Li Bui, Canada
3. Mr Alexander Gadjiev , Italy/Slovenia
4. Mr Martin Garcia Garcia, Spain
5. Ms Eva Gevorgyan, Russia/Armenia
6. Ms Aimi Kobayashi, Japan
7. Mr Jakub Kuszlik, Poland
8. Mr Hyuk Lee, South Korea
9. Mr Bruce (Xiaoyu) Liu, Canada
10. Mr Kamil Pacholec, Poland
11. Mr Hao Rao, China
12. Mr Kyohei Sorita, Japan
管理人コメント~正統派の筆頭・Su Yeon Kimさん謎の敗退
本日(日本時間10月17日午前6時頃)、3次予選通過者(本選進出者)が上記の12人に決定しました。
結果が嘘だと思う方、納得できない方は、引用元のリンクを貼っておきますので、ご自分の目で確認して下さい。
何よりも残念だったのは、正統派の筆頭、韓国のSu Yeon Kimさん が謎の敗退をしたことでした。
2次予選レビューの最後にも書きましたが、この結果は僕が一番恐れていたことでした。
恐れていたことがとうとう現実のものとなってしまったか、という思いです。
昨日のこの人の演奏は、この人にしてはミスタッチが多く、本来の調子ではなさそうでしたが、
それでも僕が聴いた限りでは、3次予選の23人の中ではトップだと思っていました。
これで、またも1次予選と2次予選同様、僕自身の中でトップと思っていた正統派コンテスタントが敗退したことになります。
そして同じ韓国でも、正統派ではない個性派・ショパンらしさから遠く、今度こそ敗退濃厚と思っていた
Hyuk Leeさん が勝ち残りました。
こうして勝ち残った12人のコンテスタントのタイプを眺めてみると、
ポーランドのJakub Kuszlikさん と中国のHao Raoさん 以外、
正統派と呼べるピアニストはほとんどおらず、
それぞれキャラクターの濃い個性派揃いであることが分かります。
しかも僕が聴く限り、ピアノ演奏の基礎技術やショパン特有の繊細な抒情表現に難があると思われる
ピアニストがかなり残っています。
例えは良くないかもしれませんが、まるで「NHKのど自慢」で、
場を盛り上げるために残しておいた愉快な音痴のおじいさんが
合格の鐘を鳴らしてしまうようなものです。
ショパンコンクールの伝統と権威を維持するためには、優勝者はこの中からも正統派であり、かつ基礎技術が高い人を
選ばなければならないわけですが、そうなると、
消去法で、ポーランドのJakub Kuszlikさん と中国のHao Raoさん 以外残らないことになります。
僕はこれまで、Hao Raoさんは優等生ではあるが演奏が大人しく地味であるため優勝するタイプではない、
と再三述べてきましたが、その認識は今でも全く変わっていません。
そうなると、残るのはまさにJakub Kuszlikさん ただ1人です。
この人を優勝させる以外の選択肢が残されていないわけです。
だいぶ後になって知ったのですが、Jakub Kuszlikさん は、審査員長(カタジーナ・ポポヴァ・ズィドロンさん)
の教え子なのだそうです。ラファウ・ブレハッチさん の弟弟子ということになりますね。
しかしこの人の演奏は音色に華やかさや煌びやかさがなく地味であるため、
優勝させるにはちょっと無理があるのではないかと個人的には思ってしまいます。
そう考えると今回は1位なしが妥当でしょうか。
いずれにしても、これで1次予選・2次予選・3次予選と、トップと思われる、優勝争いに絡めそうなピアニストが
謎の敗退をしてきた理由があぶり出されてきたのではないかと思います。
ここまで個性派揃いの面白いメンバーが残ったのは、このようなピアニストを審査員達が好んできたからというよりも、
優勝争いに絡めそうな正統派をことごとく退けてきた結果だと理解できます。
というのも審査員達がこのような個性派が好みであれば、その正反対と言うべき個性のない正統派である
Jakub Kuszlikさん こそ、敗退させる候補の筆頭だと考えられるからです。
ちなみにカナダのBruce Liuさん は興味深いピアニストで、僕は昨日の時点で優勝の資格ありとコメントしましたが、
昨日の演奏を聴くと、ショパンらしい繊細で自然な抒情表現というよりも人工美・造形美という趣でしたので、
この人はタイプ的には正統派とは言い難く、この人が優勝することはまずないと考えました。
だからこそ本選まで勝ち残ったのかもしれません。
今回のショパンコンクールには大きく失望しました。
これでは天国のショパンも泣いていると思います。
もうここまで来てしまい、引き返すことができないですし、こういう結果になってしまったのは仕方のないことなので、
次回以降、二度とこのようなことが起こらないために、何らかの方法で、ショパンコンクールの在り方を
変えていかなければ、ショパンコンクールの権威と伝統は失墜してしまうと思います。
しかし我々日本人にとっては明るいニュースもあります。
日本人では、反田恭平さん と小林愛実さん が見事本選進出を果たしました。
本当におめでとうございます!
もうここまで来れば、あとは自分の力を信じて、思い切り弾いてほしいと思います。
2人とも入賞そしてあわよくば優勝することを日本人として期待しています。
本選は10月18日(日本時間10月19日(月)午前1時)から始まります。
次は本選レビューのページでお会いしましょう。
審査員
審査員長
カタジーナ・ポポヴァ・ズィドロン(ピアニスト、指導者、ラファウ・ブレハッチの先生として有名)
審査員(肩書)
ドミトリー・アレクセーエフ(ピアニスト)
サ・チェン(2000年第14回ショパンコンクール第4位)
ダン・タイ・ソン(1980年第10回ショパンコンクール第1位)
海老彰子(1980年第10回ショパンコンクール第5位)
フィリップ・ジュジアノ(1995年第13回ショパンコンクール第2位(1位なし))
ネルソン・ゲルナー(1990年ジュネーブ国際音楽コンクール・ピアノ部門第1位)
アダム・ハラシェヴィッチ(1955年第5回ショパンコンクール第1位)
クシシトフ・ヤブウォンスキ(1985年第11回ショパンコンクール第3位)
ケヴィン・ケナー(1990年第12回ショパンコンクール第2位(1位なし))
アルトゥール・モレイラ・リマ(1965年第7回ショパンコンクール第2位)
ヤヌシュ・オレイニチャク(1970年第8回ショパンコンクール第6位)
ピョートル・パレチニ(1970年第8回ショパンコンクール第3位)
エヴァ・ポブウォツカ(1980年第10回ショパンコンクール第5位)
ジョン・リンク(音楽学者、ショパン研究家、大学教授)
ヴォイチェフ・シフィタワ(ピアニスト・1990年第12回ショパンコンクール・セミファイナリスト(棄権))
ディーナ・ヨッフェ(1975年第9回ショパンコンクール第2位)
第3次予選課題曲
①以下の作品より1つ
ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35
ピアノソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
24の前奏曲 Op.28
②以下のマズルカより、作品番号を1つ選び、その作品番号の全曲を以下の曲順で
4つのマズルカ Op.17 : 変ロ長調 Op.17-1、ホ短調 Op.17-2、変イ長調 Op.17-3、イ短調 Op.17-4
4つのマズルカ Op.24 : ト短調 Op.24-1、ハ長調 Op.24-2、変イ長調 Op.24-3、変ロ短調 Op.24-4
4つのマズルカ Op.30 : ハ短調 Op.30-1、ロ短調 Op.30-2、変ニ長調 Op.30-3、嬰ハ短調 Op.30-4
4つのマズルカ Op.33 : 嬰ト短調 Op.33-1、ハ長調 Op.33-2、ニ長調 Op.33-3、ロ短調 Op.33-4
4つのマズルカ Op.41 : ホ短調 Op.41-1、ロ長調 Op.41-2、変イ長調 Op.41-3、嬰ハ短調 Op.41-4
3つのマズルカ Op.50 : ト長調 Op.50-1、変イ長調 Op.50-2、嬰ハ短調 Op.50-3
3つのマズルカ Op.56 : ロ長調 Op.56-1、ハ長調 Op.56-2、ハ短調 Op.56-3
3つのマズルカ Op.59 : イ短調 Op.59-1、変イ長調 Op.59-2、嬰ヘ短調 Op.59-3
※上記の曲順はエキエル編・ナショナルエディションによるもの
(特にOp.33の4曲とOp.41の4曲は従来のパデレフスキ版・他、
多くの版の曲順とは異なるため、注意が必要)。