ピアノ練習方法・上達法〜初ペダル:ペダル(ダンパーペダル)を踏んでみよう〜 | ||
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〜初ペダル:ペダル(ダンパーペダル)を踏んでみよう〜初ペダル:ペダル(ダンパーペダル)を踏んでみよう皆さんは、ピアノのペダルを踏んだのはいつ頃だったでしょうか。 踏むだけだったらピアノを買ってもらったばかりに気になって踏んでみたよ、という方も多いと思います。 興味本位で右ペダルを踏みながら弾いてみたこともあると思います。 僕もピアノが家に来たばかりの頃、このペダルを踏みながら鍵盤を叩いたものでしたが、 その時に「何だかよく分からないけど、このペダルを踏むと音がよく響く、踏んでいる間はなり続ける、 踏みっぱなしで弾き続けると、音がやたら濁る」という当然の事実を知りました。 しかしペダルを踏みながらではとても音楽にならず、またピアノの練習で取り上げられる曲も 特にペダルを踏む指示がなかったため、ある一定時期まではペダルとは無縁でした。 一般的に、ピアノ導入期を経てバイエル、ツェルニー100番、ブルグミュラー・25の練習曲を弾いているときには ペダルを踏むことは一切ないと思います。 僕が楽曲の中で先生に指示されて初めて右ペダルを踏んだのは小学校4年生の時で、 全音ピアノピース中の作品でした。ゆっくりした抒情的な部分でペダルを踏むように指示され、踏みながら弾いてみたのですが、 音が切れ切れになったり濁ったりして、結構難しいと感じました。 ここでは、右ペダル(ダンパーペダル)について僕自身の体験をもとに、その後の経験と 一般的に正しいとされる踏み方について、初心者にもわかるように解説していきたいと思います。
ピアノの右ペダルのメカニズムの話 右ペダルを踏むと音が響くようになり、踏んでいる間は、音が減衰して消えるまでなり続けること、 複数の音が重なり合い濁ること、ペダルを上げると鳴り続けていた音が一瞬で消えるということは初心者の人も経験的に知っていると思います。 元々右ペダルを踏まない状態では、ハンマーが弦に接した状態で、鍵盤を叩いたときにハンマーが弦を叩き、 鍵盤から指を離した瞬間にハンマーが弦に接した状態に戻るため、弦の振動が抑えられて、一瞬で音が消えるというわけです。 ところが右ペダルを踏むと、ハンマーが弦から離れるため、弦の振動がそのまま続き、振動が減衰して消えてなくなるまでなり続けるわけです。 このように右ペダルの機能は意外に単純ですが、その使い方は極めて奥が深く、それぞれ具体例を挙げて説明していたら、 一冊の本が書けてしまいそうなくらいですが、ここではそこまで立ち入らずに、ごく初歩の初歩について説明したいと思います。
右ペダルを踏む際に大切なことは濁らないことと途切れないこと ピアノのレッスンで課題に出された曲で初めてペダルを踏むように指示されて踏んだとき、 皆さんはどのように感じたでしょうか。結構難しいと感じたのではないかと思います。 何が難しいかというと、やはりペダルを踏むと音が濁って必要ない音がどうしても混じってしまうこと、 そしてペダルを上げた瞬間音が消えるので、その瞬間、ブツ切りになってしまう、ということです。 いずれもペダルを踏むタイミング、上げるタイミングの間違いによって生じる問題です。 一般にピアノにおいて中級以上になると、この右ペダルを多用するようになり、作品によってはペダルを踏んだ状態が基本になり、 どこで踏みかえるかが問題というケースが多くなります。 ペダルの経験のない初心者は、右ペダルの踏みかえのタイミングは、和声が切り替わる瞬間と考えてしまうようですが、 それではその直前に弾いた音が残って濁ってしまい、上手くいかなかったのではないでしょうか。 また直前の音が残らないようにペダルを上げるタイミングを遅らせると、そこでブツ切れになってこれまた上手くいかなかったのではないかと思います。
右ペダル踏みかえのタイミングは意外に遅い 音が濁らずに右ペダルを使うにはその踏みかえタイミングが重要ですが、そのタイミングは実際の音楽の流れに対して若干遅いくらいがちょうどよいです。 例えば4分音符の和音だけを弾くような曲が分かりやすいと思います。ペダルを踏むタイミングは和音を押さえた直後です。そして踏みかえるタイミングは 次の和音を押さえた直後になります。こうすることにより、ペダルを踏みかえる前の音が濁ることがなくなり、また切れ目で途切れることもなくなります。 音楽の切れ目、切り替わりで踏みかえるのではなく、タイミングをやや遅らせて踏みかえるなんて、そんな器用な芸当は自分にはできないよ、 と思う方も多いと思いますが、大丈夫です。これは自然に慣れてきます。慣れの問題です。
上達するにつれて、右ペダルは踏んだ状態が基本になる 初心者のうちは右ペダルを踏むことを何か特殊なことのように思ってしまうと思いますが、実は中級以上になると、 ピアノを弾くということは右ペダルを踏んだ状態が基本になり、踏まないで弾く時間の方が圧倒的に短くなります。 その後はペダルを上げるタイミングとペダルの踏み方、使い方が問題になってきます。 皆さんが日頃よく耳にしているピアノ演奏の多くはペダルを踏んだ状態で演奏されています。 ピアノから美しい響きを出すには右ペダルは必須ですし、抒情的な作品、激しい作品ともに右ペダルがなければその表現は全く成立しないわけです。 また皆さんは、ピアノ学習者の「生存競争」の中、生き残っていって、小学校高学年、中学生まで来ると、 クラス代表、学年代表、学校代表のピアノ伴奏者に抜擢されることも多いと思いますが、 合唱や斉唱のピアノ伴奏はまさに正しいペダリングが必須になります。 歌を引き立てるためにはピアノから美しい響きと自然な流れを生み出さなければならないわけで、 それを実現するためにペダルが必要になるわけです。 可能であれば早めのうちから右ペダルに慣れて、濁らず、かつ途切れずに踏みかえるタイミング、コツを身に付けてしまって下さい。 ちなみに右ペダルの踏みかえのタイミングが正しいかどうかを判断するのは自分の耳です。 中には濁っていても一向にお構いなしに弾いている人がいますので、ピアノの先生のアドバイス、指導も重要です。 しかしピアノの先生がつきっきりというわけにもいかないでしょうし、独習もある程度できるようにならないと レパートリーは広がらないですから、なるべく自分だけで正しい踏みかえができるように 普段から意識して取り組むことが重要です。
管理人の場合 僕は初めてピアノレッスンで右ペダルを踏むことを指示されたのが小学校4年生の後半で、小学校5年生の時にはソナチネアルバムの作品で 時々ペダルを踏み、またベートーヴェンの「エリーゼのために」、バダジェフスカの「乙女の祈り」などで、 ペダルの正しい踏みかえのタイミングを完全に習得できていました。 これも慣れの問題だと思います。今はペダルの正しい踏み方を身体が覚えてしまっていて、ふと我に返った瞬間に 自分のペダルの踏み方を意識することがありますが、長年の経験というのは本当にすごいものだと思います。
ペダルは耳で踏む〜普段から自分の弾く音を注意深く聴く習慣を〜 「ペダルは耳で踏む」と言っていた作曲家もいましたが、確かに耳から入ってくる音の情報をもとに、 ペダルを細かく調節するというフィードバックが大切で、そうしていくことで正しいペダリングを身に付けることができます。 普段から正しく美しい一流のピアニストの演奏を聴いて耳を鍛え、自分の弾く音を注意深く批判的に聴いて 耳と音の感覚を鍛えることが、究極的には右ペダルの達人になるための王道ということになります。
初稿:2017年6月21日
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