ショパン・舟歌、幻想曲その他 | |||||||||||||||||||||
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ショパン・舟歌、幻想曲その他ショパンの全作品を作品カテゴリー別に並べていった場合、カテゴリーのどれにも属さない単体の作品 を扱う必要があります。ここではそのような作品を個別に見ていくことにします。 舟歌、幻想曲、アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズなどの名曲には詳説を書きます。
舟歌嬰へ長調Op.60Allegretto, 12/8拍子作曲年:1846年
幻想曲へ短調Op.49Tempo di marcia, 4/4拍子作曲年:1841年 曲の構成は自由なソナタ形式で、非常に大規模な作品。彼のバラードと同等の規模と充実度を 誇る作品で、私はこれを彼のバラードと同等に扱っています。しかし、彼のバラードは、6/4拍子 、ないし8/6拍子と3拍子系であるのに対し、本作品は4/4拍子となっており、そうしたリズムの 決定的な違いのため、ショパンは本作品をバラードと区別する必要があったのだと考えています。 ノアンのジョルジュ・サンド宅で着想され ており、この頃のショパンは、生活面でも精神面でも生涯最も充実していた時期であり、サンドの 庇護もあって、心置きなく作曲に専念できる環境の中にあったと言われています。この作品は ジョルジュ・サンドとの喧嘩と仲直りを描いたものと言われており、 tempo di marciaのヘ短調の重々しい序奏は、葬送行進曲風であり不吉な影を落としています。 (余談ですが、この付点音符の物憂い旋律は、歌謡曲「雪の降る街を」の冒頭部分に借用されている ようです)。この重々しい序奏が終わると、3連符の楽想が物々しく立ちあがり、自由なソナタ形式の 主部の幕開けとなります。この主部への序奏というべき経過句を経て、いよいよヘ短調の主題から変イ 長調の主題へ移行し、以降は華麗なピアニズム全開の楽句が様々な表情を見せながら立ちあがります。 右手の3連符に左手のアルペジオ(11度が余裕で届く手の大きさがあれば演奏はかなり楽だが)を弾く難所 やを経て、右手のオクターブ連続の情熱的な旋律、左右のオクターブの乖離跳躍や、特異な右手の トリッキーなポジション奏法(指をくぐらせず手をそのままの形で瞬間移動させることにより速いパッセージ を弾くための専門的な演奏法)など、ピアニズム演奏技巧の集大成とも言える難易度を示し、 ここを完璧に弾き切るのは相当大変です。この主題部は、へ短調、変ホ短調で示された後、 瞑想的なロ長調の中間部になります。再現部は変ロ短調で始まり、そのままの調性関係を保ったまま、 各主題が再現されていきます。 非常に雄大な構想に満ちた作品で、非常に高度な演奏技巧を要する彼の創作の絶頂期の最高傑作です。
◆アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズOp.22
作曲年:1831年
◆子守歌変ニ長調Op.57
他にもこんな作品があります
◆序奏と華麗なポロネーズOp.3
その他、編曲版ですが、
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